目次

はじめに

第1章 マイコンって何?

1.1 マイコンとArduino
1.2 これがGrove Beginner Kit For Arduino
1.3 動かしてみようよ

第2章 プログラムしてみよう

2.1 思い通りにする準備
2.2 書きこんでみよう
2.3 少し複雑なスケッチ
2.4 アナログ入出力

第3章 マイコンに語ってもらう

3.1 音を出してみる
3.2 パソコンとつながる
3.3 文字を表示する

第4章 ガジェットを作ろう

4.1 キッチンタイマーを作る
4.2 骨組みを作ろう
4.3 使いやすくしよう
4.4 機能を追加してみよう

付録A 付録: ピン対応表

おわりに

はじめに

 皆さんこんにちは、HiroCom777です。インターネットやスマホが当たり前になり、今の世の中はとても便利になりました。ひとえに技術の進歩のおかげなのですが、その他にも、私達の知らないところでも技術の進歩は起こっていて、密かに私達の生活を支えてくれたりしています。そのひとつがマイコンです。お気づきにならないかもしれませんが、私達の身の周りはマイコンに溢れているのです。

 マイコンの歴史は50年以上になるのですが、昔は開発に高額な設備が必要でしたし、学習に必要な情報は専門的なものに限られていました。その学習は、決して容易なものではありませんでした。

 ところが、最近では必要な情報はネットや書籍で容易に入手できますし、高性能になったパソコンを使うことで、特別な設備を使わなくてもプログラミングができるようになりました。

 僕は仕事でマイコンを使うことがあるのですが、本当に便利になったと実感しています。

 でも、今でもちょっと難しいなと思う人が結構多いのではないのでしょうか。そんな人達に、もっとマイコンとのふれあいの敷居を低くできないかな?と考えていました。

 そんなときに、衝撃的なキットと出会いました。それがGrove Beginner Kit For Arduino(以下、Beginner Kit)です。

 通常マイコンを学習する際に最初に提示されるプログラミング例は、接続したLEDを一定間隔で点滅させる簡単なものです。通称『Lチカ』と呼ばれるものなのですが、その後何をしていいのかわからず挫折してしまう例を多く見ます。

 Beginner Kitでは、LED以外にも一般的にマイコンに使用されるモジュール群が接続された形で提供されます。面倒な配線やハンダ付けは一切不要です。これらのモジュールをプログラムで操作してみることで、ワンチップマイコンに対する理解を容易に深めることができます。

 いかがですか?安価で手軽で色々できるBeginner Kit。ちょっとだけ、だまされたと思ってお付き合いください。新しい世界が拡がりますよ!!

第1章 マイコンって何?

 Beginner Kitに搭載されているマイコン。マイコンって一体何なんでしょうか?

1.1 マイコンとArduino

1.1.1 マイコンとは何?

 それでは、Beginner Kitを使ってマイコンを学んでいきましょう!!でも、その前にマイコンって何なんでしょうか?マイコンとはマイクロコンピューター(micro-computer)の略です。簡単にいうと、小さなコンピューターです。

 半導体技術の進歩で、コンピューターの基本的な機能をひとつのICチップにまとめることができました。Beginner KitのCPUボードに載っているマイコンは、わずか5mm四方の正方形です。

図1.1: CPUボード上のマイコン

 皆さんが使っているパソコンに比べると規模、機能はとても小さなものですが、立派なコンピューターなのです。そして、マイコンは私たちの身の周りに多数存在して、生活を支えてくれています。

 身近な例をお話しします。たとえば、テレビなどを離れたところから操作するリモコン。この中でもマイコンが動いています。リモコンの機能は、ボタンを押すと割り当てられた赤外線信号が操作対象に送信されるというものです。つまり、動作は次の手順になります。

 ・ボタンが押される(入力)

 ・対応する信号を選択する(処理)

 ・選択した信号を送信する(出力)

 入力、処理、出力。リモコン内のマイコンには、この手順をあらかじめ記憶させています。「ボタンが押されたら、対応する信号を選んで送信する」この記憶させた手順のことをプログラムと呼びます。マイコンは、プログラムして使うことができる部品なのです。

 テレビなどのリモコンの操作対象には赤外線信号を検出できるセンサーがあって、その先にやはりマイコンが接続されています。こちらも同様の手順になります。

 ・センサーから信号を受信する(入力)

 ・信号を解析する(処理)

 ・チャンネルを変えるなど、操作対象に受信した信号に対応した命令を送る(出力)

 Beginner Kitに限らず、ほとんどのマイコンでは複数の入出力端子(ピン)を装備しています。これらのピンに入力、出力信号を接続して使用します。入力ピンで受け取った内容をマイコンで処理して、出力ピンで出力するといった形です。

 Arduinoではこれらのピンを通し番号で管理していて、Beginner Kitの場合、0~20の21本のピンで入出力を処理しています。

1.1.2 Arduinoとは?

 かつて、マイコンのプログラム学習には、高額な機器と専門の知識が必要でした。しかしながら、最近の技術進歩でそのハードルは大きく下がっています。なかでも注目すべきは、Arduinoです。

 Arduinoはイタリアで生まれたマイコンボード(マイコンを搭載したプリント基板)と開発環境(ソフトウェア)を合わせたものの総称です。ソフトウェアはWindows、Mac、Linuxに対応したものが用意されていて、無償で利用できます。

 マイコンボードはパソコンとUSBケーブルで接続されます。USBケーブルを通してプログラムの書き込み、パソコンとの通信、電源の供給ができます。つまり他に特別な機器は必要とせず、簡単にマイコンプログラムの開発ができるのです。

 Arduinoのしくみを使ったマイコンボードには、いくつかの種類があります。その中でももっとも基本的なボードがArduinoUNOです。このボードについて学ぶことで、マイコンプログラムの基礎が身につきます。

 そして、これはArduinoの大きな特徴なのですが、なんと第三者にマイコンボードのコピーを作成することを許可しています。おかげで、Arduinoの仕組みは爆発的な勢いで世の中に普及していきました。Beginner KitのCPUボードは中国深圳のSeeedという企業が製造、販売しているArduinoUNO互換のマイコンボードです。

 本書では、このArduinoの仕組みを使用して、Beginner Kitをプログラムしていきます。

試し読みはここまでです。
この続きは、製品版でお楽しみください。