はじめに─なぜTypeScriptなのか
第1章 TypeScriptとは
第2章 環境構築からHello Worldまで
第3章 シングルページアプリケーションの作成
著者紹介
TypeScriptはMicrosoftが開発している、JavaScriptを拡張した静的型付けプログラミング言語です。TypeScriptで書かれたソースコードは、そのままではブラウザやNode.jsで実行できません。そのため、TypeScriptから、JavaScriptファイルを生成(トランスパイル)します。
ではなぜトランスパイルという工程を増やしてまで、TypeScriptを使うのでしょうか。筆者が一番大きなメリットだと感じているのは、多くの簡単なミス(例えば、メソッド名の打ち間違いや引数にbooleanを渡すべき箇所でnumberを渡している場合、あるいはそもそも構文のエラーが起きている場合など)を、トランスパイルの時点で(エディタがTypeScriptに対応していればリアルタイムに)検出できるようになることです。
素のJavaScriptであれば、このようなミスは実際にプログラムを動かしてみるまで分かりません。大抵の場合、実行時のエラーよりもトランスパイル時のエラーを楽に見つけることができるので、開発において非常に大きなメリットです。そして、これは開発の規模が大きくなるほど恩恵を受ける機会が多くなるでしょう。
本書を通じて、TypeScriptの利点と活用方法について触れてみてください。
第1~第2章で、代表的なTypeScriptの機能と、環境構築の手順を確認します。第3章では、実際にTypeScriptを使ってシングルページアプリケーションを作成します。
なお、本文中のソースコードは以下のリポジトリで公開しています。
本文中のソースコードは以下の2台のマシンで動作検証を行っています。
OS: mac OS Sierra バージョン 10.12.6
MacBook Pro (13-inch, Mid 2010)
プロセッサ: 2.66 GHz Intel Core 2 Duo
メモリ 8 GB
OS: ubuntu 16.04 LTS 64ビット
プロセッサ: Intel Core i5-3230M
メモリ 4 GB
また、Node.jsとnpmは、いずれのマシンでも以下のバージョンを使用しています。
Node.js: v8.9.4
npm: 5.6.0
本書の執筆にあたり私を支えてくれた全ての人に感謝します。それから、私がTypeScriptを使ってプログラミングをするきっかけを与えてくれた、今はクローズしてしまった、とあるプロジェクトに感謝します。
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本書籍は、技術系同人誌即売会「技術書典」で頒布されたものを底本としています。