前書き
第1章 合格するために
第2章 GCP概要
第3章 主要サービスを知る:Cloud Compute Engine
第4章 主要サービスを知る:Virtual Private Cloud
第5章 主要サービスを知る:Google Cloud Storage
第6章 主要サービスを知る:BigQuery
第7章 主要サービスを知る:App Engine
第8章 主要サービスを知る:Google Kubernetes Engine
第9章 主要サービスを知る:Identity and Access Management
第10章 コンピューティングサービスを知る
第11章 ネットワーキングサービスを知る
第12章 ストレージサービスを知る
第13章 ビッグデータサービスを知る
第14章 人工知能サービスを知る
第15章 ツールサービスを知る
第16章 GCP以外のサービス
第17章 アーキテクチャを考えてみる
第18章 試験を受ける前に
後書き
本書に興味を持っていただき、ありがとうございます。みなさん、クラウドサービスは使っていますか。便利すぎて、一度使うと離れられませんよね。
ところで、どこのクラウドで何のサービスを使われていますか。AWSでEC2にインスタンスを立ててレンタルサーバとして使ったり、Herokuでアプリケーションを動かしたりと、いろいろなパターンがあります。
本書は、Googleが提供するクラウドサービスのGoogle Cloud Platformについて学ぶ本です。筆者がGoogle Cloud Platformの認定資格であるProfessional Cloud Architectを取得する際に勉強した内容を詰め込んであります。Google Cloud Platformを網羅的に知るついでに、認定資格も取得してしまおうという欲張りな一冊になっております。
資格を取得したい方にはもちろんのこと、どんなサービスを使っているかわかっていない方にも読んでいただきたいと、筆者は考えています。AWSとAzureは知っているけど、Google Cloud Platformには触れたことがない方にもお勧めです。
本書を機に、Google Cloud Platformへ挑戦してみましょう。
本書に記載された内容は、情報の提供のみを目的としています。したがって、本書を用いた開発、製作、運用は、必ずご自身の責任と判断によって行ってください。これらの情報による開発、製作、運用の結果について、著者はいかなる責任も負いません。
本書の内容の実行に関しては、全て自己責任のもとで行ってください。本書の制作にあたっては正確な記述につとめましたが、内容の実行により発生したいかなる直接・間接的被害について、著者はその責を負いません。本書に登場する会社名および商品名は、該当する各社の商標または商標登録です。本書ではRおよびTMマークは省略しております。
また、本書は2020年7月の情報を元に執筆しています。Google Cloud Platformのアップデートに伴い仕様が変更される場合もあるので、ご容赦ください。
合格への勉強を始める前に、やることがあります。孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦殆からず」と。敵をよく知って、自分をしっかり理解すれば、負けることはないという格言です。ここでいう敵は、Professional Cloud Architect認定のための試験です。試験の内容がどんなものかをきちんと確認しておきましょう。これだけだと勝率は半分です。今の段階で自分がどれくらいGoogle Cloud Platform(以下、GCP)を理解しているかを知り、対策を立てることで、勝率が100%に近づきます。本章でProfessional Cloud Architect認定がどういうものなのかを知り、GCPがどれくらい理解できているかを確認していきましょう。
初めに、Professional Cloud Architect認定がどういうものなのかを知りましょう。Google公式サイト1を確認します。
以下は抜粋した文言です。
Professional Cloud Architectは、Google Cloudの技術を組織が活用するために必要なクラウドアーキテクチャとGCPに関する専門的な知識を活かして、ビジネス目標を推進するスケーラブルで高可用性を備えた堅牢かつ安全な動的ソリューションを設計、開発、管理するスキルを持ったアーキテクトです。
GCPを使って、ビジネスを推進できるアーキテクチャであることを認定するものということです。具体的には、以下の6項目を身につける必要があります(公式サイトより抜粋)。
1.クラウドソリューションアーキテクチャの設計と計画
2.クラウドソリューションインフラストラクチャーの管理とプロビジョニング
3.セキュリティーとコンプライアンスに対応した設計
4.技術プロセスやビジネスプロセスの分析と最適化
5.クラウドアーキテクチャの実装の管理
6.ソリューションとオペレーションの信頼性の確保
費用やセキュリティーを意識した設計/アプリケーションのデプロイをすばやくできる環境の用意/ミスのない運用オペレーションの実装をできるようになる必要があります。幅広いスキルが要求されていることがわかります。
では、その認定する試験について確認しましょう。
項目 | 要項 |
時間 | 2時間 |
試験料 | 200ドル |
言語 | 英語、日本語 |
形式 | 選択式 |
場所 | テストセンター、オンライン |
・試験場と申し込みの流れ
試験の申し込みはウェブサイトから行います。試験料がドル払いなので、ドルで支払えるクレジットカードが必要になります。試験会場はテストセンターだけでなく、2020年からオンラインでも受験ができるようになりました。テストセンターは都市部にあることが多いので、利用が難しい方はオンライン受験を積極的に利用しましょう。筆者はテストセンターで受験しました。オンラインで受験する場合は、静かで明るい部屋やカメラが必要になりますので、事前に要件を確認しておいてください。
テストセンターで受験する場合も、オンラインで受験する場合も、試験の日付と時間を指定する必要があります。すでに埋まっている時間は受験できないので、1カ月前には申し込みましょう。
・試験の内容
選択式の試験になります。問題数や合格基準は公開されていません。試験時間は2時間と、問題をじっくり考えるのに十分な時間があります。筆者の経験的にも、時間が足りなくなることはありませんでした。
・不合格になったとき
残念ながら試験で不合格になった場合、2週間は再受験できません。2回目も不合格になった場合は60日間は再受験できないので、気をつけてください。
認定試験がどんなものかがわかったら、次に現時点でのあなたがどれほどGoogle Cloudの知識を持っているかを確認していきましょう。チェックリストを用意しました。少し項目が多いですが、素直な気持ちでやってみてください。
項目 | 理解度チェック(〇/×) |
GCPのプロジェクトについて理解している |
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課金体系について理解している |
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リージョンとゾーンについて理解している |
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各サービスとやり取りする方法を理解している |
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サービス名 | どのようなサービスかを知っている(〇/×) | サービスを使ったことがある(〇/×) |
Cloud Compute Engine |
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App Engine |
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Google Kubernetes Engine |
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Cloud Functions |
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Cloud Run |
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Virtual Private Cloud(VPC) |
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Cloud DNS |
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Cloud CDN |
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Cloud NAT |
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Cloud Armor |
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Cloud Storage |
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Cloud Firestore |
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Cloud Datastore |
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Cloud Filestore |
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Cloud BigTable |
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Cloud SQL |
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Cloud Spanner |
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Cloud MemoryStore |
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Cloud Data Transfer |
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Cloud Composer |
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Cloud Dataproc |
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Cloud Pub/Sub |
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Cloud Dataflow |
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Cloud Dataprep |
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Cloud Data Catalog |
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Cloud Data Fusion |
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Natural Language |
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Vision API |
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Cloud AutoML Vision |
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AI Platform |
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Cloud Shell |
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Cloud Source Repositories |
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Cloud Build |
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Cloud Container Registry |
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Cloud Scheduler |
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いかがでしたでしょうか。サービスの数、多いですよね。今の時点でほとんど知らなくても問題ありません。スタート地点が理解できただけです。これから全ての項目を〇にできるように、共に学んでいきましょう。