まえがき
第1章 Vimの良さ
第2章 Vimの基本操作
第3章 バッファとウィンドウとタブページ
第4章 モード
第5章 ノーマルモード
第6章 挿入モード
第7章 ビジュアルモード
第8章 コマンドラインモード
第9章 置換モード
第10章 Terminal-Jobモード
第11章 ヘルプ
第12章 設定
第13章 プラグイン
第14章 Vim script
第15章 Vim9 script
あとがき
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。
本書はVimの良さについて解説した本です。この本を読めば、Vim初心者でもVimの良さがわかります。Vimの基本操作から便利な機能や、プラグイン、プラグインの作り方まで解説してあります。ぜひ最後まで読んでみてください。
Vimを使い始めた当初は、使いづらいエディターという印象でした。おそらくVimを触ったことがある方なら、一度は思ったことがあるでしょう。しかし、とある記事1に出会い、Vimへの印象が180度変わりました。
「Vimはこんなことができるのか」と、ただただ驚くばかりでした。もっと速くコーディングできるようになりたい、もっとVimを極めたい、という一心でVimにのめり込みました。
気づいたら、vim-jp2というコミュニティーに入り、たくさんのVimmer3と出会い、ゴリラ.vim4というイベントを企画するようになり、さくらのナレッジ5にて、Vimの連載をするようになりました。
Vimを使い始めてまだ1年程度ですが、Vimの良さをみなさんに伝えるため、本書を執筆することを決意しました。筆者が知っているVimの良さをこの本に詰め込みました。Vimに興味がある方、これからVimを始めようとしている方、またなかなか上達しないと感じている方は、ぜひ手元に置いて、何度も読んでみてください。
・Vimの良さ
・Vimの知見
本書の読者層は次のLevel1 ~ 3を想定しています。なお、レベルはあくまで目安なので必ず 5 に到達しなければいけない、という訳ではありません。
・Level 1
─Vimの操作がまだ不慣れ、最低限の操作しかできない
・Level 2
─Vimの操作に慣れてきて、基本的な編集が一通りできる
─Vimの良さを少しずつ理解してきている
・Level 3
─オペレーター、モーション、テキストオブジェクト、カウントを駆使して編集できる
─簡単なプラグインを作れる
─コーディングやメモなどもVimを使っている
・Level 4
─Vimの機能や動作、Vim scriptについて深く知っていて実践できている
・Level 5
─本体によくパッチを送る
─思考スピードで編集できる
本書では次の環境を元に解説しています。
・Mac OS Mojave 10.14.5(18F132)
・Vim 8.1.1949
Vimが誕生して20年以上経ちますが、今でも世界中に多くのユーザーがいます。なぜVimはここまで長く人気が続いているのでしょうか。Vimに限らず、ユーザーが使い続けているということは、必ず良さがあるからです。では、Vimの良さは何でしょうか。筆者の考えを端的にまとめると、次の通りです。
・オペレーター、モーション、テキストオブジェクト、カウンタ、リピート機能を駆使して高速で編集できる
・Vim scriptで機能を拡張できる
・ヘルプが充実している
・外部コマンドと連携できる
初心者の方はきっとピンとこないでしょう。大丈夫です。その良さを、なるべくわかりやすく解説していきます。
本章では、Vimの必要最低限の操作方法を解説していきます。以降、記載がなければ、ノーマルモードでの操作です。モードについては、第4章で解説します。
基本操作の前に、まずは画面構成から解説します。Vimの画面の主な構成は、図2.1のようになっています。構成の詳細は、各章にて解説します。
Vimでファイルを開くときは、vimコマンドの引数にファイルを指定します。
vim gorilla.txt
Vimの起動後でも次のように、いくつかのExコマンド1でファイルを開く方法があります。
:edit gorilla.txt
:new gorilla.txt
:vnew gorilla.txt
文字を入力するときは、iコマンド3で挿入モードに切り替えてから入力を行います。
Escで挿入モードからノーマルモードに切り替えることができます。挿入モードでも矢印キーによるカーソル移動は可能ですが、ノーマルモードの方がテキスト編集に特化しています。なので、基本的に文字入力以外は、ノーマルモードで操作したほうが効率が良いです。
ただ、カーソル移動は必ずしもノーマルモードで行う必要はないので、どうしても慣れない方は矢印キーでも良いと思います。