はじめに
本書の構成
第1章 そもそも「考える」って何だろう?
第2章 考える枠を決める
第3章 課題を特定する
第4章 解法を特定する
第5章 チームで「考える」ために気をつけること
第6章 「考える」実践例
第7章 おわりに
第8章 参考文献
正直に言うと、本書『「考える」考えかた』は僕自身のために書いたものです。ですが、かつての僕のように「考える」ことに悩んでいる方には何らかの助けになるかもしれない。そう思い、本という形にすることにしました。
僕はチーム設計師と名乗り、自社・他社問わず、様々なチーム活動を円滑にするための支援を生業としています。その支援の中には会議のファシリテーションやワークショップの設計・実施といったものも含まれています。誤解を恐れずに言えば、チームで「考える」事に対しそれなりの経験と力があると思っていました。詳細は本文で紹介しますが、その自信があっさりと打ち砕かれる経験をしたことにより、「考える」というのはどういうことなのかが分からなくなってしまいました。自信喪失状態です。そのことが「考える」ことを考えるきっかけとなりました。
○○シンキング、問題解決、アイデア発想法など、世の中には様々な「考える」方法を記した本があります。僕は「考える」ことが分からない状態を抜け出すため、これらの本を読み、今までの経験から学んだことをふりかえり、さらなる実践を重ねました。その経験で得た実践知とチームで「考える」ためのポイントを体系的にまとめたのが本書です。
僕の「考える」考えかたが、僕の現場だけではなく、他の現場でも「考える」手助けになることを祈っています。
渡部 啓太
本書では、まず1章の『そもそも「考える」ってなんだろう?』で「考える」とはどういうことか、僕の考えを述べます。次に、2~4章では以下の「考える」考えかたの3ステップをそれぞれ解説します。
考える3ステップ
① 考える枠を決める
② 課題を特定する
③ 解法を特定する
その後、5章ではチームで「考える」ために特に気をつけるべきポイントについて、最後に6章では「考える」考えかたを使用した実践例を紹介します。実践例は僕が実際の現場で行った考えかたなので、ご自身の現場で使う際の参考にしてください。