目次

はじめに

対象者
サポートサイト
免責事項
表記関係について
底本について

第1章 バックオフィススタッフに必要なリテラシー

1.1 バックオフィスとは?
1.2 RPAツールの流行により見直された、業務設計の重要性
1.3 EUCの概念
1.4 ケーススタディで学ぶ、基礎的なマネジメント用語

第2章 どのExcelファイルを選ぶか

2.1 リスト化から始める
2.2 シートのリストを追加する
2.3 ファイルを選定する
2.4 問題点を特定し、改善する

第3章 業務の把握、改善

3.1 よくある業務改善の進め方
3.2 トップダウンとボトムアップ
3.3 ボトムアップ改善の場合
3.4 Excelで改善するべき業務をどうやって把握するか
3.5 まず何からやるか?
3.6 小さく成功する
3.7 Excel業務改善の進め方

第4章 ケーススタディ ~既に「Excel方眼紙」が存在するケース~

4.1 背景
4.2 Excel方眼紙におけるTips
4.3 改善の流れ

第5章 ケーススタディ ~建設業の入出金シミュレータ作成~

5.1 作りたいもののイメージ
5.2 まずは現状把握
5.3 設計方針
5.4 まとめ

第6章 汎用的な機能のアドイン化

6.1 アドインとは
6.2 アドインの利点
6.3 アドイン開発の効率化

付録A APPENDIX1

1. 条件分岐
2. 集計
3. 操作
4. 便利

付録B APPENDIX2 データセットの扱い方

1. 名前の定義
2. 変数管理
3. ボタンの動作

付録C 参考文献

あとがき

はじめに

 近年、RPA・AIツールの流行により、バックオフィス業務の効率化が注目されています。しかし、用語が先行する一方で、未だ適切な自動化ツールの導入・運用がされているとは言い難い状況にあります。

 著者は、Excelを利用した業務改善に携わって10年以上が経ちます。金融や流通を中心に、医療、教育など、様々な業界のバックオフィスでExcelアプリケーションの開発・運用に関わってきました。意外なことに、そこで役立ったのはExcelの知識以上に、問題解決の視点でした。

 バックオフィスにおけるExcelツール活用には、属人的な制度運用や、ビジネスルールの変更を考慮しないシステム設計など、業務設計と密接に関わる課題が多かったのです。

 RPA時代になっても、業務改善や、自動化ツールの設計開発に必要な基礎知識に変わりはありません。問題解決の考え方を身につけ、ゴールも手段も、自分で決めましょう。

 本書は、問題解決とExcel開発のノウハウを適切に組み合わせて活用頂けるように、第1章ではRPA・自動化ツールの概念と業務効率化に必要なマネジメントの知識について、第2章からはExcelを活用した問題解決の方法を具体的に示しました。共同執筆者として、データサイエンティストの山川信之氏に加わっていただきました。コンサルタントとしての豊富な経験を活かし、体系化したノウハウを多数ご紹介頂いています。

 本書が、バックオフィスにおける問題解決への意識喚起と、Excelを効果的に活用した業務改善を促進する一助となり、世の中により良いサービスが生み出されるきっかけとなることを願っています。

対象者

 主な対象読者は、Excelを活用してバックオフィス業務の効率化を目指すビジネスマンの方です。Excelに留まらない、バックオフィスに必要な問題解決スキルも多数掲載しましたので、管理職の方や学生の方にもお読み頂ければと思います。

 また、本書はExcelの知識が一切不要な章から、既にVBAの知識をお持ちの方に向けた章まで、部分によって実践に必要なExcelスキルが大きく異なります。索引や目次を参考に、ご自身に必要な箇所をご覧ください。

 なお、関数・VBAの入門的な知識については、本書で問題意識を感じた時に、必要に応じて、インターネットや他の書籍で、学習を進めて頂ければと思います。

(花房なゆた)

サポートサイト

 https://1060.work

 サポートは予告なく終了する可能性があります。予めご了承ください。

免責事項

 本書に記載された内容は、情報の提供のみを目的としています。したがって、本書を用いた開発、製作、運用は、必ずご自身の責任と判断によって行ってください。これらの情報による開発、製作、運用の結果について、著者はいかなる責任も負いません。

表記関係について

 本書に記載されている会社名、製品名などは、一般に各社の登録商標または商標、商品名です。会社名、製品名については、本文中では©、®、™マークなどは表示していません。

底本について

 本書籍は、技術系同人誌即売会「技術書典6」で頒布されたものを底本としています。

第1章 バックオフィススタッフに必要なリテラシー

 第1章では、今までITやマネジメントの観点を意識してこなかったバックオフィスのスタッフや管理職の方、またはこれから社会に出ようという学生の方に、問題解決、そして業務改善を「自分ごと」として捉えて頂くことを目標としています。

 2章以降では、Excelを利用した問題解決について紹介します。本章では問題解決の手段のひとつとして、最近流行しているRPAについても解説を行います。

 既存のExcelファイルを改善したい方は第2章へ、業務分析の具体的な方法を知りたい方は第3章へ。ケーススタディを通して、Excel開発の手法を学びたい方は第4~5章へ進んでください。第6章とAPPENDIX1・2には、よりスマートなExcel開発に役立つノウハウを掲載しました。ではまず、なぜバックオフィスにはITやマネジメントの知識が必要なのか。頻出用語を学びながら、理解を進めましょう。

1.1 バックオフィスとは?

 この本のタイトルにもなっている「バックオフィス」とは何かご存知ですか?いわゆる事務職のイメージをお持ちの方が多いことと思いますが、バックオフィス業務の存在する部署は多岐に亘ります。自動車メーカーを例に考えてみましょう。最新の車を研究する開発部門、工場で車を組み立てる生産部門、お客様に車を売り込む営業部門は、会社の利益に直接関わる「直接部門」です。バックオフィス部門としてよく挙げられる総務・人事・経理を「間接部門」と呼ぶのは、直接部門の支援を行い、会社の利益に間接的に関わっているからです。

 では、直接部門にはバックオフィス業務は存在しないのでしょうか。生産部門なら、どの車種を何台生産すれば効率よく利益が上がるかの生産管理、営業部門なら、お客様の情報を営業に活用するための顧客管理が必要です。生産管理・顧客管理などの管理業務は、一般的にバックオフィス業務に該当します。

 そして、間接部門ならすべてバックオフィス業務というわけでもありません。サポート窓口は間接部門ですが、顧客と直接やりとりが発生する「フロントオフィス業務」1が中心です。しかし、顧客サポートを行うに当たり、Q&Aやクレーム情報を社内データベースで共有するのは「バックオフィス業務」です。

図1.1: バックオフィス業務の例

 このように、直接、企業の利益には関わらず、かつ顧客と直接、接することがない業務全般を「バックオフィス業務」と呼びます。バックオフィス業務の改善は、企業活動におけるサービス向上や業務削減など、読者の皆さんそれぞれの課題解決に密接に繋がっているのです。

1. 「直接部門」の例で挙げた営業も、顧客対応を行う「フロントオフィス業務」が主たる業務であることが一般的です。

試し読みはここまでです。
この続きは、製品版でお楽しみください。