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桂離宮―様式の背後を探る
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桂離宮―様式の背後を探る

発売日 : 1991年4月1日
ISBN : 9784122018020
全文検索 : 非対応
『風土』『鎖国』等の名著で知られる和辻哲郎による桂離宮の様式について探った一書。
その序文では、問題意識として次のように述べている。
「この建築は日光廟と時を同じくして製作されたものであるが、その日光廟と桂離宮とは、同時代の建築として同じ時代的様式を示してゐるどころか、およそ建築として考へられる限りの最も極端な反對様式を示してゐるやうに見える。日光廟はあらゆる技術を悉く注ぎ込んで装飾に装飾を重ねたもの、言ひかへればこれでもか!といふやうに飽くことなく美を積み重ねることによって妓上の美が作り出せると考へた態度によって作られたものであるが、桂離宮はちやうどその反對に、出來るだけ装飾を捨て、出來るだけ形を簡素にすることによって、反って簸上の美が現はれるとする態度によって作られたものである。從って日光廟を「結榊」とか「美しい」とかと感ずるやうな人々の間から桂離宮のやうなものは生れて來ないであらうし、桂離宮を美しいと感ずるやうな人奇の間では、日光廟のやうなものは到底作る氣持になれなかったであらう。それほどに異なった二つの様式が、同じ時代に、しかも接点がなかったとも思へない人々の間に、出現したといふことは、一体何を意味するのであらうか。」
(※本書は1991/4/1に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました)

目次

改訂版序
一 桂離宮の位置
二 桂離宮の創始者八条宮とその周囲
三 桂離宮の造営の開始
四 庭園の製作と作者の問題
五 桂離宮の庭園の構想
六 加藤左馬助進上奥州白川石
七 古書院とその改造の問題
八 思し召す儘の普請
九 古書院御興寄
十 中書院とその周囲
十一 松琴亭とその周囲
十二 新御殿増築
余 録

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