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FUJISAN 世界遺産への道
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FUJISAN 世界遺産への道

発売日 : 2014年6月14日
ISBN : 9784867761878
全文検索 : 非対応
2013年6月18日、文化庁長官の著者は、プノンペンで開かれるユネスコ世界遺産委員会に乗り込んだ。
かつてユネスコ大使として、石見銀山や平泉の「逆転登録」に関わった著者は、この会議を最後に勇退することが決まっていた。会場では、三保松原を含めた登録が厳しい空気を感じる。41年の外交官人生の集大成として、最後の「逆転」を勝ち取るための、3日半のオペレーションが始まった……。
いずれも難しいとされた世界遺産登録を「逆転」で勝ち取った交渉術と、文化外交への熱き思いをつづる。
(本書は2014/6/14に毎日新聞社より刊行された書籍を電子化したものです)

目次

はじめに
第一章 富士山登録と三保松原の「逆転登録」
1 富士山登録決定の瞬間
2 根回しの三日半:「目に見えない価値」の理解を求めて
  • プノンペン到着
  • 六月一九日(水)
  • 六月二〇日(木)
  • 六月二一日(金)
  • 六月二二日(土)
3 審議そして登録──最後の「も」
第二章 富士山推薦からイコモス勧告まで
1 世界遺産条約加盟と富士山:自然遺産から文化遺産へ
2 世界遺産条約採択四〇周年記念会合と富士山展
3 イコモス勧告の衝撃と幻のプランB
第三章 ユネスコと世界遺産条約の存在意義
1 ユネスコ
2 世界遺産条約
  • 専門性(政治性の排除)
  • コンセンサス(全会一致)
第四章 過去の世界遺産委員会の教訓
教訓1:現場を見る
  • 石見銀山
  • 平泉
  • 富士山
  • 三保松原
  • 鎌倉
教訓2:「説明」と「要請」の境
教訓3:すべての議題への積極的貢献
教訓4:議長
教訓5:DR(決議案)
  • ドラフティングと英国人
  • 石見銀山
  • 平泉
教訓6:メディア
第五章 鍵となったひとびと
1 「C」さん─世界遺産の女神
2 「T」さん─ストーリーを理解する専門家
3 「A」さん─柔軟な専門家
4 「L」さん─手堅いが心はやさしい官僚
5 「I」さん(S国元大使)─愛すべきアヤトラ(原理主義者)
6 「S」さん─地味だが魅力のあるアイアンレディー
第六章 外交と外交交渉
1 外交の主体と客体
  • 国家対国家の伝統的外交
  • パブリック・ディプロマシー
2 「国益」は実在するのか
第七章 富土山と世界における日本文化
1 日本文化の特徴
  • 日本人の自然観
  • 目に見えないものの価値
  • あいまいさの受容
2 二一世紀の課題と日本文化の潜在力
  • 「思い上がり」と「司の論理」
  • 日本文化の潜在力
3 富士山登録の意義
  • 富士山:信仰の対象と芸術の源泉
  • 三保松原:目に見えない価値
4 世界遺産条約の目的
第八章 文化と外交
1 外交官人生における文化
  • 文化との出会い
  • 仕事としての文化
  • 文化と国家
2 外交官なき外交?
3 世界文化遺産から世界の文明へ
あとがき 富士山と私
〈参考文献〉

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