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京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書
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京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書

発売日 : 2024年8月23日
ISBN : 9784799330753
全文検索 : 非対応
iDeCo・NISAで投資信託を始めているものの、次のステップとして、「個別株」をやってみたい人、「個別株」に興味を持ち始めた人へ。

個別株を長期保有・資産運用することは、自分の財布を豊かにするだけでなく、経済やビジネスの学びにもつながります。

著者は、京都大学名誉教授の川北英隆氏。
長らく日本生命の資産運用部門に携わり、取締役を経て学会に転じ、
京都大学で証券投資を分析・研究しています。
実践と理論を知る著者による株式投資の本質論です。

「個別株」の長期保有のメリットと基礎を
図や表を用いてわかりやすく説明してくれる一冊です。


<本文より抜粋>
売買をなるべくせず、
長期保有によって
企業や経済成長の利益を享受することが
株式投資の本質ーー。

「短期売買」は企業が実らせる果実とは無関係のゼロサムのゲームである。
「長期保有・資産運用型」は経済が成長する社会ではプラスサムであり、長期資産運用を目指した全員が利益を享受できる。
長期資産運用はプラスサムであるから、株式に関する知識があまり高くないとか、時間がないといった個人にも向いている。

「将来性があり、経営も優れていて素晴らしいのでは」と思う企業の株式を買い、
その後は時たま株価や業績を見る程度であっても、
長い時間が経過すれば、ずっしりと重い果実を得ている可能性が高い。
これが筆者の60年にわたる株式市場との付き合いから得た結論である。

株式投資(個別株)は、本質的に怖いものではない。
株式投資で損することは当然あるが、変な「儲けたい」欲をもたなければ、大ケガとは無縁。
株価の水準を心配する必要はあっても、過剰に心配するのは時間の無駄、チャンスを逃しかねない。
少額で十分なので、まずはスタートすることが大切。
その際は「アメリカ株」からがおすすめ(詳しくは本文を参照)。
本当の株式投資は副業の一種。自分の好きな仕事をしながら、趣味を楽しみながら、
ついでに株式投資を楽しみ、素晴らしい企業の成長の果実を分けてもらうことだ。

【目次】

第1章「まず株式(個別株)を買う」
どのように買ったらいいかを書いている。初めて買う場合は「アメリカ株」をおすすめしている。詳しくは本文を読んでほしいが、日本株より手軽に買えるし、期待も大きい。

第2章「資産運用を考える」
「資産運用」の対象は「株式(個別株)」だけではない。預金、国債、投資信託などいくつかある。これらの投資対象について、簡単におさえておく。

第3章「長期資産運用は経済成長で潤う」
長期のデータを用いることで、株式(個別株)による長期資産運用こそが、経済成長の果実(すなわちリターン)の分け前に与れる有力な方法だと示している。企業や経済全体の成長の観点から、日本の株価についても説明している。

第4章「資産を分散させ、長期運用する」
投資する株式(個別株)は、企業を選ばなければならない。本章では、長期資産運用においても企業を選ぶことが必要だと確認し、その後で、分散投資の重要性と、その方法を述べる。

第5章「企業の将来の可能性を評価する」
個人投資家として長期運用を選ぶ場合、投資先企業の選別が必要となる。それも客観的な指標による選別である。その指標の特徴や留意点を説明する。
日本経済を取り巻く環境を考えると、企業間の格差が大きい。
企業として「人口減少」や「環境問題」への適切な対応、グローバルな事業展開、デジタル化に適合した製品・サービスの開発、労働生産性の向上などを実現し、利益を本当に伸ばせるのか。
世界的に見て、少数の精鋭企業だけが伸びる。
インターネット、情報工学、AI(人工知能)、生命工学……、その流れに追いつけない者の登場と退場は、個人も企業も同じである。長期保有の観点から企業を選び出す感性と、その確認が求められる。

第6章「投資信託と付き合う」
「資産運用立国」や「金融リテラシー」などの政府の掛け声、税制上の優遇措置が魅力的な新NISAやiDeCoにおいては、投資信託が主役の座にある。
その投資信託の概要と付き合い方を述べる。
TOPIXや日経平均株価を模倣する上場投資信託(ETF)への投資は、幅広い投資により大きな当たり外れは回避できる一方、政府頼みのような凡庸な企業の株式まで買うことになる。
自分自身の目で見て頭で判断し、長期の観点から優れた企業の株式(個別株)を保有し、日本経済の発展を応援したいと考える。

目次

はじめに
第1章 まずは個別株を買って始める
1 株式への最初の一歩を踏み出そう
2 証券会社に口座を開く
3 企業を選び出す
4 投資信託はすすめない
5 株式を売買して売買代金を決済する
6 売買を記録する
7 株主総会と株主の権利
8 バブルのころにちなみ、株式を考える
第2章 資産運用を考える
1 株式を保有する意味
2 金融商品の種類と性質
3 債券の概略
4 株式(個別株)の概略
5 一般投資家にとっての株式の魅力
6 日本における配当性向30%の信仰
7 投資信託の概略
第3章 長期資産運用は経済成長で潤う
1 短期投資はゼロサムゲーム
2 信用取引は短期売買の象徴
3 株価を長期の視点から眺める
4 株価指数とは何か
5 経済成長と株価の関係
6 長期資産運用の3つの結論
第4章 資産を分散させ、企業を選ぶ
1 経済成長率の鈍化は企業間格差の要因
2 社風と企業間の格差
3 標準偏差はリスクの指標
4 分散投資の効果と限界
5 リスクプレミアムについて
6 分散投資の効果、その背景
7 分散投資の限界とは
8 時間分散投資について
9 通貨分散のすすめ
第5章 企業の将来の可能性を評価する
1 企業の外観、経営者への評価
2 製品やサービスが画期的か
3 悪評を別角度から見る
4 株式時価総額 株価指標①
5 株式価値と配当割引モデル
6 株価純資産倍率(PBR) 株価指標②
7 株価収益率(PER) 株価指標③
8 配当利回り 株価指標④
9 売上高成長率 企業業績のポイント①
10 売上高営業利益率 企業業績のポイント②
11 海外売上高比率 企業業績のポイント③
12 総資産営業利益率 企業業績のポイント④
13 純資産利益率 企業業績のポイント⑤
14 自己資本比率 企業業績のポイント⑥
15 買いのタイミングは
第6章 投資信託と付き合う
1 日本の投資信託の発展と現状
2 投資信託と証券会社の関係
3 日本の投資信託を概観する
4 投資信託に必要な費用
5 日本の投資信託のポートフォリオ
6 投資信託の売買行動は
7 投資信託の株式売買に潜む事実
8 新聞の紙面を見る
9 投資信託とどのように付き合うべきか
10 専門的な運用能力への期待
11 NISA・iDeCoにおける税制上の優遇
12 S&P500型ETFの活用
おわりに
索引

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