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夫が怖くてたまらない
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夫が怖くてたまらない

発売日 : 2016年6月16日
ISBN : 9784799319161
全文検索 : 非対応
繰り返される暴力・モラハラ… 女性の4人に1人がDV被害者!? 被害者も加害者も、あなたの近くにいる!
加害者の心理や脱DVプログラム、子どもへの影響、アメリカの予防教育まで、これ一冊でわかる

「一日中、家に居るくせに、こんな手抜きをするとは、何をしてるんや!」 
夫が機嫌を損ねた原因は、夕食のカレーライスだった。妻の身体は軽々と持ち上げられ、まるでカエルでもぶつけるように、板の間に叩き付けられた。無抵抗に転がる妻を殴り、腕が疲れてくると足で蹴り、包丁の背で頭をゴンゴン叩いた。
暴力を収めるための妻の努力は裏目に出て、夫の怒りはエスカレートしていく。逆らわずに、ひたすらあやまるしか手だてはなかった。
「結婚してから、心から幸せだと思った瞬間なんてなかった。ポトンと真っ暗な井戸に落とされたみたいで……。出口がまるで見えなくて、いつもビクビクして。毎日、家に帰るのが怖かった」

―巧みなマインドコントロールにはまり、妻は夫から逃げられない。「わたしが悪いのだ。夫はかわいそうな人だから、わたしがそばにいてあげなきゃいけない」。学歴や収入、年齢も関係なく、あらゆる家庭に潜むDV。やさしかった夫はなぜ豹変し、悲劇が繰り返されるのか。子どものために耐えるのは正しいのか。

これは小説でも映画でもなく、この日本で起こった現実の話なのだ。
そして、あなたのまわりでも、きっと似たような悲劇が繰り返されているに違いない。そばにいるあなたも気づかないうちに。

目次

はじめに
序章
親友の告白
OJ・シンプソン事件が変えたアメリカ
「離婚はしない」
ドメスティック・バイオレンスとは何か
幸せなはずだった結婚
2ヶ月で暴力が顕在化
裸足で逃げ出した夜
「子どもはいらない」と言った夫
死さえ覚悟した夜
真実を知った母の嘆き
駅のホームを監視する夫
離婚調停
「息子を殺して、オレも死ぬ」
第1章 なぜ逃げられない 知られざるDVの真実
孝江さんの見た地獄
「今度こそ死ぬ」と観念した日
「世間の思い込み」が被害者を苦しめる
被害者は、なぜ逃げられない
圧倒的な無力感
「愛情」「希望」「恐怖」で繰り返す家出と和解
古い価値観に縛られる日本の妻たち
自分のなかにある〝世間〟を乗り越えて
第2章 男たちはなぜ殴るのか
「殴ったことなどない」
DV加害者の特徴
「男らしさ」と暴力
古い価値観は若い世代にも
第3章 子どもたちの苦悩
「パパのこと好きでいたいのに」
DVと子どもの虐待
複雑に絡み合う家庭内の暴力
両親に翻弄される子どもたち
暴力の連鎖という悲劇
「父親はいたほうがいい」という誤解
第4章 DV防止法後も変わらない「いい妻」の呪縛
わたしが我慢すればいい
「3人にひとりは被害者」という衝撃
DV防止法をめぐる動き
変わったこと、変わらないこと
生真面目な人を追い込むDV
自分の意志で生き方を選び取る
第5章 モラハラという虐待
まるで〝お給仕さん〟
DVではなくモラハラ?
有名芸能人の「モラハラ離婚」も
嫁いびりもりっぱなモラハラ
モラハラのサイトにアクセスが殺到
消えない心の傷
第6章 暴力の鎖を断ち切るために
加害者プログラムの草分け「エマージ」のカリキュラム
「急場しのぎ」が事態を悪化させると知る
「あぁ、オレはアイツを殴ったよ」
終わりのない葛藤
日本の「脱DVカウンセリング」の草分け
男性運動から生まれた「メンズ・リソース・センター」
怒りを抑えることを学んでも、暴力はやまない
「男性は変わることができる」。そう信じることから出発する
日本にも強力な男性リーダーが必要
国の財政を直撃する家庭内の暴力
「ウィメンズ・センター」の子ども向けプログラム
小学生向けのドメスティック・バイオレンス教育
あなたの手は誰かを傷つけるためのものじゃない
第7章 DV根絶を目指す、アメリカのリーダーたち
大統領の涙の誓い
「とにかくみんなを巻き込むのよ」
シェルターで働く元被害者
夫を殺すまで追いつめられて
正当防衛とは認められずに
アットホームなシェルター
ドメスティック・バイオレンスと闘う女性写真家
取材する側から支援する側へ
はじめて目の当たりにした暴力
人間としての誇りを取り戻したリサ
社会の変化を見届けたい
ピッツバーグが誇る最高の設備「ウィメンズ・センター」
「夢のような」シェルター
この世からシェルターが消える日まで
終章 香澄のその後
「誘拐ではない」と突き放され
壊れてしまった息子の心
「法律や社会はわたしを守ってくれない」
「幸せな結末」を探して
おわりに

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