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人は感情によって進化した
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人は感情によって進化した

発売日 : 2011年6月15日
想定ページ数 : 208ページ
ISBN : 9784799310243
全文検索 : 非対応
感情の萌芽にあたる仕組みは、地球上に哺乳類が現れたころにはすでに、人類の祖先に備わっていたことでしょう。
感情は、生きのびるのに必要な機能として、生物進化の歴史をとおして、徐々に積み上がってきたのです。
捕食者から逃げる「恐怖」は比較的早い段階で、人類の祖先の動物の身につきました。
そして、個体の上下関係を形成する「怒り」や「おびえ」は、群れを形成するようになった段階で身につきました。
人間として進化した段階では、協力集団が築かれ、それを維持する役割を担う「罪悪感」や「義理」などの、複雑な感情が進化しました。
本書ではさまざまな具体例をもとに、感情の働きを明らかにします。
そして、感情が私たちに備わった生物進化の歴史を考えます。

目次

はじめに
序章 「野生の心」と「文明の心」
◆「感情」と「理性」は完全に分けられるものではない
◆「感情」が「思考」を方向づける
◆「感情」はジャングルや草原で身につけた
第1章 恐怖と不安
◆「高所恐怖」も「閉所恐怖」も生まれつきもっている
◆「恐怖」が意識に臨戦態勢をとらせる
◆恐怖を克服すべき場合・残しておいたほうがいい場合
◆「不安」を解消するのによいテクニック
第2章 怒りと罪悪感
◆人もサルも「怒り」で上下関係を確立する
◆怒りは権利を守り、集団生活を発展させた
◆怒りが集団内の協力と平和を生み出した
◆集団間の競争が個人の能力の多様化を生んだ
◆「じぶんへの怒り」はどうして起こる?
第3章 愛情と友情
◆動物には子孫を生き残らせるための「愛情」と「冷酷さ」が同居する
◆子育てのために配偶者に愛情を示す
◆「友情」が集団内の協力をはぐくんだ
◆博愛の精神まではなかなかもてない
◆遺伝情報の欠陥で協力関係を築けない人もいる
第4章 好きと嫌い
◆食べ物の好き嫌いも生きのびるために必要だった
◆配偶者の好みは子どもを多く産み育てるのに有利かどうかから
◆得手不得手は集団内で必要とされる能力から始まった
◆学習と教育の始まり
第5章 嫉妬と後悔
◆配偶者への嫉妬は一夫一妻制を守るために役立った
◆集団内の嫉妬は利益を配分させるためだった
◆利益配分は現代でも重要な問題
◆「後悔」は失った配分を取り返す行動の源になった
第6章 自己呈示欲と承認
◆「欲求」と「感情」は同じもの
◆自己呈示欲求の目的は、じぶんの得意な技能を表明し集団に貢献すること
◆狩猟採集時代は集団に承認されるかどうかが死活問題だった
◆言語の起源は自己呈示だったかもしれない
◆現代は自己呈示が集団への貢献につながったかどうかが不明確
第7章 楽しさと笑い
◆肯定的感情をもてない個体は淘汰されてしまう
◆「共感」が集団の協力を円滑にし、生き残らせた
◆笑いは楽しさを伝播させる効果が高い
◆共感能力は女性のほうが高い
第8章 悲しみと希望
◆苦しみや悲しみが生き残りに果した役割
◆「同情」か「お金」かという問題の裏には野生と文明の対立がある
◆痛みは感情に近い
◆希望をもつことの功罪
第9章 信奉と懐疑心
◆信じることで集団の協力がうまくいった
◆じぶんを信じられない人が超常的なものを信じやすい
◆狩猟採集時代の小集団は互いに信用できる安心な集団だった
◆何を信じたらよいかわからなくなった現代
◆多様な考え方や情報を維持しつつ、懐疑心を育てる必要がある
第10章 驚きと好奇心
◆赤ちゃんの実験から、「驚き」は生まれつきの感情だとわかる
◆驚きが笑いに転化する
◆好奇心をはぐくむ遊びは進化のために重要だった
◆新しいことに挑戦する好奇心がなければ生きのびられない
第11章 名誉と道徳観
◆リーダーへの尊敬と感謝など感情的な報酬が払われるよう進化した
◆集団の中での評判が生きのびるのに重要
◆現代社会では、集団の外の人々を敵と見るだけでは問題が起こる
◆地域の事情が特定の感情を失わせた可能性がある
第12章 幸福と無力感
◆幸福を感じる度合いは遺伝する
◆幸福感は飽和する
◆意識は幸福を追求する
◆文明化するにつれて、幸福感は希薄になった
◆多様な集団に属し、多様な幸福を実現するのが未来のかたち
おわりに
注および参考文献

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