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直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録
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直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

発売日 : 2018年7月12日
想定ページ数 : 400ページ
ISBN : 9784799323212
全文検索 : 非対応
「僕は地面に杭を打ち込むように、吹けば飛ぶ芸術から
どうやっても動かない聖地をつくろうとした。」
“現代アートの聖地”はなぜ、どのようにして生まれたのか?
仕掛け人が明かす圧巻のドキュメンタリー

「一生に一度は訪れたい場所」として、国内のみならず
世界中から観光客がこぞって押し寄せる、瀬戸内海に浮かぶ島・直島。
そこは、人口3000人ほどの小さな島ながら、草間彌生や宮島達男、安藤忠雄ら
錚々たるアーティストたちの作品がひしめきあう「現代アートの聖地」となっている。

世界に類を見ないこの場所は、
いったいなぜ、どのようにして生まれたのか?

今まで、その知名度とは裏腹にほとんど語られてこなかった誕生の経緯を、
1991年から15年間、ベネッセで直島プロジェクトを担当し、
「家プロジェクト」や地中美術館などの画期的な作品群・美術館を生み出した
仕掛け人が、2006年に島を離れて以降初めて、自らの経験をもとに語り尽くす。

そこには、暗闇のなかでも諦めずがむしゃらに挑戦し続けるひとりの人間の姿があり、
その苦闘の末に生み出されるのは、あらゆる理不尽を飲み込み
時代を超えて受け継がれる奇跡のようなアートの数々である。

「それはまるで、一流のアスリートがオリンピックという晴れの舞台で世界記録を出すような瞬間である。単なる一流選手の個人の記録を超え、なにか時代を画する、時代を次のフェーズに動かしていくような奇跡のような記録を残す。そういう作品を、アーティストが直島で制作することを望んだ。そうでもしなければ、あの小さな島に誰かが注目してくれることなどないと思ったのだ。」(本文より)

◯目次
PROLOGUE はじまりの直島
第1章 「直島」まで
第2章 絶望と挑戦の日々
第3章 暗闇のなかを突っ走れ
第4章 現代アートは島を救えるか
第5章 そして「聖地」が誕生した
EPILOGUE まだ見ぬものを求めて
安藤忠雄氏による特別寄稿
直島に関する参考資料

目次

PROLOGUE はじまりの直島
第1章 「直島」まで
理想と現実のはざまで
「普通」ならざる求人広告
「よく生きる」という企業哲学
アートの原体験
アートの世界へのめり込む
描き続けて身につけた「物の見かた」
特別に課された〝追試〟
第2章 絶望と挑戦の日々
社会人の〝洗礼〟
ベネッセ推進室での日々
最初の仕事
〝異色〟のアートコレクション
作品は芸術か、それとも資産か
初めてのニューヨーク出張
ニューヨークの〝独立〟した現代アート
消えない温度差
社内に現代アートを持ち込みたい
「新・社内展示」全貌
福武さんからの呼び出し
直島とベネッセ・安藤忠雄をつないだキーパーソン
決済を待ちわびて
変貌前夜の直島
第3章 暗闇のなかを突っ走れ
嵐のオープニング
直島の〝異端〟な安藤建築
ギャラリーに閑古鳥が鳴く
初めて通った展示企画
徹夜の設営
悪夢のネオン管
突然の禁止令
妙案に次ぐ妙案
〝ルール外〟の展覧会
展覧会主義からの脱却
世界と直島の出会い
世界に仕掛けた展覧会
「ベネッセ賞」という戦略
直島のアートをつくる
常識の〝外〟に光を当てる
ホテル美術館論争
ビジネスの世界から遠く離れて
安藤建築への挑戦
〝直島らしさ〟の肝とはなにか
第4章 現代アートは島を救えるか
戦前から続く地下水脈
直島の基礎をつくった三宅町政
直島を形成した石井建築
空き家問題
生活と地続きのアート
出会うべくして出会った建築家
宮島達男を口説きにジュネーブへ
最高のアイデア
『角屋』が変えたもの
安藤忠雄みずから手をあげた『南寺』
場所の意味を掘り起こす
タレルの精度
無事『南寺』オープンへ
三つめの「家プロジェクト」
内藤さんの〝厳密さ〟
「家プロジェクト」が生み出したもの
「家プロジェクト」を進化させる
直島の日常をアートが掘り起こす
アートを通して変わり行く人々
第5章 そして「聖地」が誕生した
株主が放った想定外の質問
直島事業廃止の危機
新社長の経営改革
直島のアートに起きた変化
人間の根源を問うアースワーク
時間と空間を体で感じる「ライトニングフィールド」
ジャッドの聖地マーファ
タレルの素顔
予期せぬ「来客」
モネを直島に置けるか
モネを現代アートに取り込むために
モネの解釈を先にすすめる
出発点となった「共通の問い」
デ・マリアとタレル
モネが考えた「空間」
動き出した建築プロジェクト
場所の決定、そして建築のオリエンテーション
安藤建築の文脈のなかで
直島プロジェクト最大の任務
モネがもたらした視覚上の革命
白色のキャンバス
はじまりの正三角形
重力で世界をはかるデ・マリアのプラン
科学と芸術が交差する場所
視覚を揺さぶるタレルのプラン
オープン間近の慌ただしい日々
そして、地中美術館オープンへ
確かに感じた直島の変化
EPILOGUE まだ見ぬものを求めて
「現代アートの島」への脱皮
福武さんとの訣別
最後の砦
次の場所へ
おわりに
安藤忠雄氏による特別寄稿
直島に関する参考資料(秋元雄史編、逸見陽子協力)
関連書籍、資料

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