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スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険
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スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

発売日 : 2022年11月18日
ISBN : 9784799329139
全文検索 : 非対応
新進気鋭の哲学者による“つながっているのに寂しい、常時接続の世界”を生き抜くための書

スマホは私たちの生活をどう変えてしまったのか?
いつでもどこでもつながれる「常時接続の世界」で、私たちはどう生きるべきか?


ニーチェ、オルテガ、ハンナ・アーレント、パスカル、村上春樹、エヴァetc……
哲学からメディア論、カルチャーまで。
新進気鋭の哲学者が、様々な切り口で縦横無尽に問いかける!


「常時接続の世界」において、私たちはスマホから得られるわかりやすい刺激によって、自らを取り巻く不安や退屈、寂しさを埋めようとしている。

そうして情報の濁流に身を置きながら、私たちが夢中になっているのは果たして、世界か、他者か、それとも自分自身か。
そこで見えてくるのは、寂しさに振り回されて他者への関心を失い、自分の中に閉じこもる私たちの姿だ。

常時接続の世界で失われた〈孤独〉と向き合うために。
哲学という「未知の大地」をめぐる冒険を、ここから始めよう。

・現代人はインスタントで断片的な刺激に取り巻かれている
・アテンションエコノミーとスマホが集中を奪っていく
・空いた時間をまた別のマルチタスクで埋めていないか?
・常時接続の世界における〈孤独〉と〈寂しさ〉の行方
・〈孤独〉の喪失――自分自身と過ごせない状態
・スマホは感情理解を鈍らせる
・「モヤモヤ」を抱えておく能力――ネガティヴ・ケイパビリティ
・自治の領域を持つ、孤独を楽しむ
・2500年分、問題解決の知見をインストールする
・「想像力を豊かにする」とは、想像力のレパートリーを増やすこと
・知り続けることの楽しさとしての哲学
etc…

◆目次

はじめに
第1章 迷うためのフィールドガイド、あるいはゾンビ映画で死なない生き方
第2章 自分の頭で考えないための哲学――天才たちの問題解決を踏まえて考える力
第3章 常時接続で失われた〈孤独〉――スマホ時代の哲学
第4章 孤独と趣味のつくりかた――ネガティヴ・ケイパビリティがもたらす対話
第5章 ハイテンションと多忙で退屈を忘れようとする社会
第6章 快楽的なダルさの裂け目から見える退屈は、自分を変えるシグナル
おわりに
あとがき

◆購入者限定特典 スマホ時代を考えるための読書案内つき

目次

はじめに
「君たちは自分を忘れて、自分自身から逃げようとしている」
哲学を学びたいという声
哲学という「未知の大地」の観光案内
人は人生のどこかで必ず立ち止まる
今病院に行く必要がなくても、医者はいたほうがいい
困ったときのために、哲学をそばに置いておく
哲学は2500年続くヒットコンテンツ
目次
第1章 迷うためのフィールドガイド、あるいはゾンビ映画で死なない生き方
ごちゃごちゃ集まって、(人の話も聞かずに)がちゃがちゃ話す社会
現代人は自己完結している
自分を疑わない人ほど落ち着いている
私たちはゾンビ映画ですぐ死ぬやつみたいな生き方をしている
現代人はインスタントで断片的な刺激に取り巻かれている
不明瞭で複雑ですぐには消化しきれないことの大切さ
「スッキリ」と「モヤモヤ」を使い分ける──東畑開人の議論
「モヤモヤが大事」の先へ行くために
自分を疑うという「冒険」
コラム 大衆社会論とメディア論と対象関係論
第2章 自分の頭で考えないための哲学──天才たちの問題解決を踏まえて考える力
「哲学=自分の頭で考える」なのか?
哲学者だってNetflixを観るし、ドクターマーチンを履く
自力思考が生み出すのは、平凡なアウトプット
自力かどうかより、注意深さが大切
森の歩き方を学ぶときのように、考える技術を学ぶ
「一問一答で動いちゃいねェんだ世の中は!」
〈知識〉と〈想像力〉の両輪で学ぶ
2500年分、問題解決の知見をインストールする
いきなり「自分なりに」理解するのは無茶
哲学を学ぶときの二つの躓き方
アンラーン(脱学習)する前に、ラーン(学習)せよ
センスメイキングにも、知識と想像力が必要
「想像力を豊かにする」とは、想像力のレパートリーを増やすこと
自分の中に多様な他者を住まわせる
哲学を歩くときの三つの注意点
1 考えることにも練習は必要(すぐに結果を得ようとしない)
2 使われている通りの言葉遣いをする(独自の使い方はしない)
3 その哲学者の想像力に沿って読む(日常の語感を投影しない)
コラム プラグマティズムの哲学観
第3章 常時接続で失われた〈孤独〉──スマホ時代の哲学
スマホが変えてしまった、私たちの社会
「常時接続の世界」で忘れられた感覚
〈孤立〉の喪失──反射的なコミュニケーションがもたらした注意の分散
アテンションエコノミーとスマホが集中を奪っていく
〈孤独〉の喪失──自分自身と過ごせない状態
〈孤立〉の中で〈孤独〉になれる──ハンナ・アーレントの哲学
常時接続の世界における〈孤独〉と〈寂しさ〉の行方
ちゃんと傷つくための孤独
自分の情緒を押し殺さないために
うれしい経験をしたときにも孤独は必要
空いた時間をまた別のマルチタスクで埋めていないか?
スマホは感情理解を鈍らせる
感覚を押し殺さずにいるために──「燃えよドラゴン」の教え ①
「考えるな、感じろ!」の本当の意味──「燃えよドラゴン」の教え ②
指先に目を奪われるな──「燃えよドラゴン」の教え ③
コラム 孤独や孤立の価値を復権する意味
第4章 孤独と趣味のつくりかた──ネガティヴ・ケイパビリティがもたらす対話
居合わせる価値の高まりが、取り残される不安を高める
情動理解はインスタントに済ませられない
寂しさに振り回される私たち──「エヴァ」から考える ①
寂しさの対処法としての趣味──「エヴァ」から考える ②
自分の中には複数の人がいる──「エヴァ」から考える ③
趣味は孤独をもたらす──「エヴァ」から考える ④
趣味は謎との対話である──「エヴァ」から考える ⑤
「書かれた私」と「書き直す私」の対話
何かを作ることが自己対話の可能性を開く
自分がいいと思えるまで、何度でも作ること
「モヤモヤ」を抱えておく能力──ネガティヴ・ケイパビリティ
時代を超えて様々な人を惹きつけたネガティヴ・ケイパビリティ
不確実性の中で生きる私たちに必要なこと
自分を疑う姿勢としてのネガティヴ・ケイパビリティ
哲学することは、ネガティヴ・ケイパビリティを育てること
孤独の中で、モヤモヤと付き合っていく
コラム 異なるイメージの言葉を重ねる意味、文化と哲学を織り交ぜる理由
第5章 ハイテンションと多忙で退屈を忘れようとする社会
活動的であることは虚しい?──パスカルと気晴らしの哲学
活動で、退屈や不安から気を逸らしている
新型コロナウイルスで、私たちは「気晴らし」を奪われた
自分の奥底で眠る倦怠や不安から目を逸らすべきではない
テンションを上げないとまともに生活できない私たち
メンタルヘルスが自己責任化されると、問題の社会背景が見えなくなる
絶えざる成長を求めることとメンタルヘルスは関係している
スティーヴ・ジョブズの助言は当てにならない
心の声に従ってはいけない
チェーホフから考える「自分の心に従う」ことの危うさ
フレキシブルな働き方は、自己啓発と相性がいい(が、これは福音ではない)
自分への過剰な関心は自己対話を阻む
自分への関心は、アテンションエコノミーとの相性がいい(悪い意味で)
コラム ポストフォーディズムにおける実存と寂しさ
第6章 快楽的なダルさの裂け目から見える退屈は、自分を変えるシグナル
不安に対処するために「快楽的なダルさ」に浸っている
スマホが可能にする、やわらかな昏睡
刺激から切り離されると退屈を感じてしまう
注意を停止し、単純で魅力的なものに飛びついている
気分というモヤモヤに目を凝らすことの大切さ
心の声は必ずしも「ポジティヴ」ではない
情報呪術による不安の悪魔祓いを止めてみる
感覚の変化は行動を変えろというシグナル
退屈に向き合うための姿勢──隔離生活下で裁縫するルソー
自治の領域を持つ、孤独を楽しむ
趣味はときに「つらいこと」も浮き上がらせる
「つらいこと」に向き合うことが、優しさにつながる
過去に対峙するプロセスが大切──映画「ドライブ・マイ・カー」
高ストレス環境で柔軟な変化を求められ続けるシンジ=私たち
知ることには限界があり、私たちは常に不完全である
完全には知りえないからこそ人は知ろうとする
知り続けることの楽しさとしての哲学
コラム 実存主義・対象関係論・消費社会論の取り合わせ
おわりに
寂しさは私たちを一人ぼっちにする
孤独と趣味のつくりかた
自己の多様性が見えにくくなるとき
仲間と信頼の重要性
自己の多様性を作曲すること
あとがき
奥付

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