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想定外
ディスカヴァー・トゥエンティワン
ジョン・ケイ (著)
青木高夫 (訳)
発売日 : 2012年12月13日
想定ページ数 : 320ページ
ISBN : 9784799312803
全文検索 : 非対応
ビジネスをして成果をあげるには、しっかりとしたビジョン、戦略、戦術、実行計画が必要不可欠だと思われている。
しかし著者はそれに異論を唱える。
世に成功といわれるものは、もともと明確な計画の下に達成されたものではなく、成功の理由などはたいてい「後づけ」だ。
むしろ実行する人の「想定外」、思わぬところで成功してしまう、というのが真実なのだ。
著者は古今東西のさまざまな事例を通して、われわれの思い込みを覆していく。
目次
1階層
2階層
全展開
序章
第1章 回り道 なぜ、目標にまっすぐ向かわない人のほうが目標を達成できるのか?
東に進むと西に早く到着する「パナマ運河」
「実用本位」が実用的ではなかった
合理的・単純がよいとは限らない
第1部 回り道の世界 なぜ、私たちの周囲には回り道がたくさんあるのか?
第2章 幸福 なぜ、幸福を追求しない人のほうが幸福になるのか?
幸福は楽しいことばかりではない
回り道こそが幸福への近道
誰にでも共通する幸福などは存在しない
第3章 利益追求のパラドクス なぜ、利益を追求しない会社のほうが利益をあげるのか?
回り道的なミッションのほうが利益につながった
ボーイングの成功は飛行機への愛情がもたらした
競合企業の明暗を分けるもの
漁業のビジネス化が失敗した理由
「『株主の価値』なんて最低の発想だ」
第4章 ビジネスは芸術である なぜ、お金を追求しない人のほうがお金持ちになるのか?
お金持ちは、実はお金を追求していない
権力と富との関係
富に興味を示さない事業家たち
強欲の破綻
第5章 目的、目標、行動 なぜ、目的より先に手段がわかることがあるのか?
目的、目標、行動
目的、目標、行動を明確に分けることはできるのか?
第6章 回り道のユビキタス なぜ、生活のあらゆる面に回り道があるのか?
軍隊の戦術と回り道
芸術と回り道
回り道が単純化になるとき
山火事への対応も単純ではない
コミュニティは人間の手ではつくれない
第2部 回り道の必要性 なぜ、問題が直接的に解決できないことがよく起きるのか?
第7章 「ごちゃまぜ検討」 なぜ、回り道のアプローチが成功するのか?
「ごちゃまぜ検討」というアプローチ
ピカソもウェルチもバフェットも「ごちゃまぜ検討」をしていた
ナンバープレイスと現実の社会は違う
第8章 多元論 なぜ、一つの問題に複数の回答が存在するのか?
高い次元の目的に向かうために必要なのは回り道
どんなものでも数量化して判断できるのか?
一つの問題には複数の回答が存在する
偉大な人物は指標そのものを変えた
第9章 相互作用 なぜ、行動の成果がやり方に左右されるのか?
価値観を反映した制度
一元化したマネジメントの失敗
第10章 複雑性 なぜ、直接的なやり方が複雑過ぎるのか?
「フランクリンのルール」
「フランクリンの言い訳」
「ウィズキッズ」の活躍
ベトナム戦争でのアメリカの失敗
ホンダのアメリカ進出は「回り道」的だった
第11章 不完全性 なぜ、われわれは問題の本質がわからないのか?
問題の輪郭を定めなければならない
問題そのものが解決の鍵となる
第12章 抽象化 なぜ、抽象化は完璧にできないのか?
バスを待つ人のモデル
複雑なことの抽象化
単純化には主観が不可欠
第3部 回り道とつきあう 複雑な世界で問題を解決する方法
第13章 歴史の揺らめく光 なぜ、結果から誤った意図を推測してしまうのか?
成功は偶然の産物
人間は意図や原因を見つけたがる
「直接派」と「回り道派」の意思決定の違い
第14章 ストックデールの逆説 なぜ、われわれの選択肢は思ったより少ないのか?
回り道をたどるしかない時がある
ルーズベルトとリンカーンの回り道
第15章 ハリネズミとキツネ なぜ、優れた意思決定者は知識の限界を悟れるのか?
バフェットとソロスの慎み深さ
大事を深く知るハリネズミと小事を多く知るキツネ
名声を受けるのはハリネズミ
第16章 盲目の時計職人 なぜ、環境に適応することが知能を超えた行為なのか?
進化に意図はない
「進化は人類より賢い」
第17章 ベッカムのようにボールを曲げろ! なぜ、われわれは語るより多くを知っているのか?
痛みへの反応
技量を磨くと回り道が見える
「われわれは語る以上に知っている」
第18章 デザインのない秩序 なぜ、目的を把握せずに複雑な結果が出せるのか?
計画経済の危うさ
国家はたまたま出来上がった
企業の目的は?
第19章「いいだろう。自己矛盾をしようではないか」 なぜ、考えが不変であることより正しいことのほうが重要なのか?
選択基準は常に一定なのか?
人間は矛盾した選択もする
この世界に不変のものはない
第20章 大量破壊兵器はあったのか なぜ、偽の合理性が優れた意思決定と混同されるのか?
感情と行動のコントロール
大量破壊兵器と「フランクリンの言い訳」
回り道の意思決定は「直感」ではない
結論
第21章 回り道の実践 回り道的な意思決定のアドバンテージ
意思決定の科学はない
さまざまな角度から何度も考えてみる
とにかく何かに手をつける
複数のモデルで判断する
判断力は訓練によって向上する
回り道と直接的なやり方の選択
引用・参考文献について
訳者あとがき
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