本書は、「不確実性とは何か」だけではなく、「不確実性に対して人はどう反応しがちなのか」「どう対処すべきなのか」までを、難しい数字や専門用語を極力排して解説した入門書である。
本当のリスクは、不確実性そのものの中ではなく、人や組織の心理の中にこそ存在する。ひとつ例を挙げよう。
金融の世界には、日経平均株価は「これこれの理由で○○○○円まで上がりますよ」という断定的な予測が数多く見られる。
しかし、人の耳目を引く、こうした断定的な予測は、結果として当たらないことが多い。
だが、始末の悪いことに、世の中には数多くの予測が出回っていて、そのうちのいくつかは実際に当たってしまう。
そして、たまたま結果として当たったというだけで、人々はその予測が将来を見通した素晴らしい予測だったと考え、予測をした者を称賛し、自分もそれにあやかることで将来を予測することができるようになるはずだと思い込む。
しかし、そのようなやり方を続けていれば、短期的にはうまくいくかもしれないが、いつか必ず予想外のデキゴトに振り回され、身動きがとれなくなってしまう日を迎えることになるだろう。
不確実性ほど、「決定的に重要でありながら、驚くほどに理解されていない」というものはそうはない。むしろ、不確実性にどのように向き合い、そこから生まれるリスクをいかに制御していけるかは、金融に限らずすべての意思決定にとって、決定的に重要な要素なのだ。
目次プレビュー
- はじめに
- 第1章 ランダム性
- 第2章 フィードバック
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未来を予測することはそもそも可能なのか?
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ある高名な経済学者の誤り
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〝予測できる未来〟と予測できない未来
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リスクをとらないリスク
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「ランダムである」とはどういうことか
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事前の確率、事後の結果
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人は「明確な原因」を探したがる
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ランダムは本当に予測できないのか
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結果の予測はできないが確率は見積もれる
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ランダム性に起因する不確実性に対処する方法
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確率的に対処する
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リスクを測定する
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リスク管理の基本〝VaR〟
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とれるリスクの量を知る
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人はランダムにたやすく惑わされる
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人はランダムなデキゴトをランダムだと感じられない
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世の中はランダムに満ちている
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column01
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ランダム性では説明できないもうひとつの不確実性
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何がファットテールを生むのか
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〝予想外〟を生むフィードバックのメカニズム
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結果を増幅するフィードバック、抑制するフィードバック
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予測が不可能となるメカニズム
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予想をはるかに上回ったサブプライムローン危機
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column02
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バブルはこうして繰り返す
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バブルの歴史
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嫉妬と欲望
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なぜ後にならないとわからないのか
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音楽が鳴っている間は踊りつづけよう
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グローバリゼーションやネットワーク化は負の連鎖を強める
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経済成長の持続力
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戦争や革命をも乗り越える経済成長
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経済成長が経済成長を生む
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予想外のデキゴトが生む葛藤とプレッシャー
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column03
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人の心理的反応
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皆が同じ方向に間違える
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過剰な因果関係づけ
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自己奉仕バイアス
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自己正当化の欲求
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同調
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人はなぜ不確実性にうまく対処できないのか
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不確実性の過小評価
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予測への過度の依存
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気合で乗り切ろうとする
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失敗のパターン1:成功体験と自信過剰
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失敗のパターン2:サンクコストと自己正当化
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失敗のパターン3:希望的観測と神頼み
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失敗のパターン4:異論の排除と意見の画一化
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column04
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予測に頼らないという新しい考え方
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短期的な結果に振り回されない
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正しいやり方の効果は長期的にしか現れない
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小さな失敗を許容する
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不確実性への対処に終わりはない