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老子の教え あるがままに生きる
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老子の教え あるがままに生きる

発売日 : 2017年6月10日
想定ページ数 : 240ページ
ISBN : 9784799321157
全文検索 : 非対応
斬新な解釈が大反響を呼び、中国語や韓国語にも翻訳された『超訳 論語』。その著者・安冨歩東京大学東洋文化研究所教授が、今度は『老子』に挑んだ。五年の歳月をかけ、数多く存在するテキストの吟味と綿密な解釈とを経たうえで、可能な限りわかりやすく現代語訳したものが本書『老子の教え あるがままに生きる』だ。

二千数百年前に書かれた『老子』という書物は、具体的な人名や地名がまったく現れない、抽象的な議論に終始した内容であるにもかかわらず、長い年月にわたって東アジアの人々の思考の指針であり続けてきた。それはこの書物の内容の深さと広さとの証明である。また、欧米の知識人の興味を強く惹きつけ、そのキーワードである「道(タオ)」という言葉は広く流通している。世界全体を見渡せば、『老子』は『論語』よりもはるかに広く読まれ、大きな影響を与えているのだ。

『老子』がこれほど広く深い影響を与えた理由は、その抽象論が、単なる思考の遊戯ではなく、生きるための実践的意味を持っているからだ。その言葉を理解するための手掛かりは、本の中にではなく、私たちの生活の中にある。読者が、老子の言葉を手助けとして日々の困難を乗り越え、それらの経験によって言葉の意味を感じ取る、という過程が積み重ねられ、『老子』は二千数百年にわたって読まれてきた。

『老子』の思想の根幹は、その動的な世界観にある。つまり、世界のいかなるものも、動かないものとしてではなく、生まれ、変化し、滅ぶものとして理解する。そしてそれを、固定した動かし得ないものと思い込んでしまうことの危険性を、さまざまな角度から指摘し、粘り強く繰り返し、叱咤激励する。一度言われたらわかるようなことではなく、繰り返しとされなければ、私たちの中に入ってこないからである。そうすることで読む者は、ここに込められた知恵を、生活の中で把握し豊かに生きる道を見出すことができるようになるのである。

目次

序文
ものごとは常に変化する。 あなた自身もそうだ。
言葉に縛りつけられるな。 言葉を縛りつけるな。
確かなものにすがろうとするから 不安になる。 あやうさを生きよ。
あやうい状態から この豊かな世界が生まれた。
この世界にはもともと、 善悪も優劣もない。
言葉で世界を 切り分けようとするな。
支配者が頭を回さなければ、 うまく治まる。
「道」とは、ものごとを 成り立たせる不可思議な力。
よく生きるには、 感性を豊かにすればよい。
自らの内なる声に従え。
神秘の力は世界を成り立たせ、 尽きることがない。
ただただ生きればいい。
最高の善は、水に似ている。
成果を挙げたら、身を退けよ。
身体と精神を調和させよ。
わかったつもりにならない。
有と無は互いに支え合って 用をなす。
感覚を刺激しすぎると 魂は混乱する。
わが身を大切にすることが すべての始まり。
すべてのものごとは 神秘の作動によって生じる。
見えない次元の真理に触れる。
世界をありのままに見る。
最も優れた統治が行われていると、 下々の者は支配者の存在を 知っているだけだ。
下らぬ学識は 人間の自由を奪うだけだ。
道のあらわれは、 かすかでぼんやりとしている。
無理をしてもうまくいかない。
曲ったものこそが完全となる。
聞いても聞こえない言葉を 受けとる。
世界の根源から湧き出す力を 「道」と呼ぶ。
大軍をひきいる君子が 軽躁ではいけない。
明らかな道理に従う。
自分の本質から離れないでいる。
聖人は極端なことを避ける。
成果を挙げても、強者とならない。
兵器は不吉な道具である。
道は本来、 名付けることもできない。
自らに勝つ者は 他人に勝つ者よりも強い。
大きなことを為さないから、 大きなことを成せる。
道は使い尽くすことがない。
柔らかく弱いものが 強いものに勝つ。
道に従えば、万物は ありのままの姿を実現する。
徳にすぐれた人は、「自分に 徳がある」という自覚がない。
貴いものは必ず賤しさを 根本とする。
道にかなうことで、何ごとも 善く始まり、善く成長する。
有は無から生じる。
減らすと増えて、増やすと減る。
無為は有益である。
ものごとをあまりにも愛おしむと、 ひどく失うことになる。
ほんとうに完成したものは、 どれだけ使っても壊れない。
足るを知れ。
どこへも行かずに天下を知る。
無為であれば、 為しえないことなどない。
聖人は自分の存在を 誰にも意識させない。
あくせくと動く者は 自ら死地に赴くことになる。
道はおのずから尊い。
不変の真理を身にまとう。
大道を行く。
自分の身体を出発点として 天下を知る。
無理に健康になろうとすると 衰える。
ものごとを知るには、 言葉に頼るな。
無為無事によって天下を取る。
災いは福、福は災い。
飾らなければ、人々は従う。
小手先でひねくり回すな。
大きいものは下に立つのがよい。
人はそれぞれの道に従う。
容易な事に難しいものとして 対応する。
執着しなければ失わない。
民は智ではなく 愚をもって治めよ。
争うことがない者には 争い得る者はいない。
邦は小さく、 民は少ないほうがよい。
天の道に従えば、 利益を挙げても害をなさない。
大物は空気を読まない。
天とうまくやる。
嫌々ながら戦う者が勝つ。
私の言葉をわかる人はいない。
知らないということを 知るのはすばらしい。
抑圧や暴力を捨てて、 権力と威厳を得る。
天の網は、ゆったりしていて 目が粗いというのに、 何者をも見逃さない。
殺によって民を支配するなら、 その惨禍は自分に 降りかかってくる。
万民の治まらないのは、その上に 立つ者が作為するがゆえである。
固くこわばったものは死の仲間、 柔弱なものは生の仲間。
聖人は、その賢明さが 現れることを欲しない。
まっすぐな言葉は、 ねじくれているように聞こえる。
天道は常に善人とともにある。
解説
『老子』のテキストも解釈も一つではない
「大器」は完成しない?
第一章の重要性

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