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才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10 の思考法
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才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10 の思考法

発売日 : 2020年8月28日
ISBN : 9784799326671
全文検索 : 近日対応
「編集」という言葉から、何を思い浮かべるでしょうか? 雑誌・書籍の編集や映像の編集のような、何かしらのメディア情報を取り扱う職業的な技能をイメージされるかもしれません。
ここでは、「編集」という言葉をうんと広い意味で捉えます。

そもそもわたしたちは、ありとあらゆる「情報」に囲まれて生活しています。起きた時の体の感じ、外の天気、出かけるまでの持ち時間、テレビから流れるニュース、朝食のメニュー、クローゼットの服と今日のコーディネート、いずれも「情報」であり、そういった雑多な情報をのべつ幕なしに「編集」しながら生きています。
ここで言う「編集」とは、こうした「情報」に関わるあらゆる営みのことを指すものです。

本書で考える「編集力」は、明日の仕事や暮らしに役立つ技能、という範囲にとどまるものではありません。
 この世界のいたるところにある編集の営みを思い、新たなものの見方やそこにある方法を発見していくことを通して、ひとりひとりの中に思い思いに引き出されていくまだ見ぬ潜在力こそが、本書で取り扱いたい編集力です。

 生命活動のOS(オペレーションシステム)とも言える広義の「編集力」を、「方法」として工学的に読み解くことで、人間が携えるべき基本的な能力の仕組みを明らかにし、改めて装填し直していく。
「編集」を「工学」することによって、あるいは「工学」を「編集」することをもってして、相互作用する複雑な世界の中で、人間に本来備わる力が生き生きと立ち上がっていくことを、「編集工学」は目指しています。
そして、この「人間に本来備わる力」というのは、その現れ方がひとそれぞれに違うはずです。おそらくこれを、「才能」というのだと思います。

才能の「才」は、古くは「ざえ」とも読み、石や木などの素材に備わる資質のことを言いました。それを引き出すはたらきが「能」です。
「才」は素材の側にあり、「能」は職人の腕にある。才能とは、引き出す側と引き出される側の相互作用の中にあらわれてくるものであるようです。
内側にある「才」をいかに引き出せるか。自分個人だけでなく、他者の「才」やチームの「才」、場の「才」ということもあるでしょう。
 素材の内側と外側を自由に行き来する「能」としての、しなやかな編集力が必要です。
自分の内側に眠る「才」の声を聞き取り、編集力という「能」をもって表にあらわす。そこに関与するさまざまな方法をエンジニアリングしたものが、「編集工学」であるとも言えます。

目次

編集的自由の会得のために 松岡正剛
はじめに
目 次
第1章|編集工学とは?
すべては「編集」にはじまる
なぜ「編集」を「工学」するのか
「才能」は「編集」でひらかれる
世界と自分を柔らかく結びなおす
第2章|世界と自分を結びなおすアプローチ
アプローチ01・わけるとわかる、わかるとかわる 「分節化」が仕事を前進させる
なぜ部屋が片付かないのか
句読点ひとつで世界が変わる
「分節化」という素晴らしい能力
アプローチ02・くらべる、あわせる、ずらす イノベーションを起動する「関係発見力」
組み合わせが価値を生む
ルルスの結合術と「アルス・コンビナトリア」
関係発見の秘訣は、物事を多面的に見ること
思い切った対角線を引く
アプローチ03・乗り換え、持ち替え、着替え 固定観念から脱する「飛び移り」の技法
思考の枠組みに自覚的になる
「スキーマ/フレーム」を操る「お笑い」の編集力
情報の「乗り換え・持ち替え・着替え」
「連想と要約」をかわるがわるにおこす
アプローチ04・似たもの探し 柔らかな戦略思考「アナロジカル・シンキング」
思考の眠れる獅子、「アナロジー」
何をもって何とみなすか
似てる→借りる→当てはめる アナロジーの構造
戦略思考としてのアナロジカル・シンキング
アナロジカル・シンキングには「あなた」が必要
眠れる獅子が目を覚ます
アプローチ05・「あてずっぽう」のすすめ ゆきづまりを突破する「アブダクション」
ブレイクスルーのための仮説思考「アブダクティブ・アプローチ」
第三の推論「アブダクション」の威力
「アブダクション」の推論形式 ~まず「驚く」べし
創造的「あてずっぽう」を飼いならす
アブダクションを阻むもの
アプローチ06・文脈に導かれる いい塩梅を捉える「アフォーダンス」
「アフォーダンス」という可能性
すべては脳のなせる技なのか?
ギブソンの「生態心理学」(エコロジカル・サイコロジー)
環世界とアフォーダンス
編集力のコアエンジン「3A」
アプローチ07・原型をたどる 前提ごと問い直す「そもそも思考」
「アンラーニング」という難問
「空ずる」先の「まなびほぐし」
前提を疑うべし。「そもそも」思考の流儀
ことの本質を捉える「略図的原型:3type」
「アーキタイプ」の逆襲
我々はどこから来たのか
アプローチ08・「らしさ」に着目する 見えないものを「価値」に変える
「~らしい」という価値
情報のコード(code)とモード(mode)
どうして「らしさ」がわかるのか
複雑なものを複雑なままに~「主語」ではなく「述語」で捉える
「変わっていくもの」を通して「変わらないもの」を見る
述語の国、日本
アプローチ09・伏せて、開ける 創造性を引き出す「余白」のマネジメント
物に寄せて思いをのべる
「生命らしさ」は想像力の中にある
日本流 余白のクリエイティビティ
「心にてふさぐ」編集力のメカニズム
アプローチ10・物語を与える 心を動かす「ナラティブ・アプローチ」
なぜ人は物語を必要とするのか
物語回路(narrative circuit)を自覚する
物語の5大要素
世界を魅了する物語の秘密 物語母型「英雄伝説」
語り得ないものを扱う装置としての物語
新たな物語とともに囚われの世界から脱出する
第3章|才能をひらく「編集思考」10のメソッド
メソッド01・思考のクセに気づく アテンションとフィルター
演習1▼アテンションとフィルター 好きなもの・いらないもの
演習1▼アテンションとフィルター 解説
わけるとわかる、わかるとかわる~「分節化」が仕事を前進させる
メソッド02・情報の周辺を照らす 連想ネットワーク
演習2▼連想ネットワーク お気に入りの連想系
演習2▼連想ネットワーク 解説
くらべる、あわせる、ずらす~イノベーションを起動する「関係発見力」
メソッド03・見方をガラリと変える 情報の「地と図」
演習3▼情報の「地と図」 言い換えカタログ
演習3▼情報の「地と図」 解説
乗り換え、持ち替え、着替え~固定観念から脱する「飛び移り」の技法
メソッド04・たとえ話で突破する アナロジカル・コミュニケーション
演習4▼アナロジカル・コミュニケーション たとえてみたら
演習4▼アナロジカル・コミュニケーション 解説
似たもの探し~柔らかな戦略思考「アナロジカル・シンキング」
メソッド05・新たな切り口で分類する 軸の持ち込み
演習5▼新たな軸の持ち込み 分類あそび
演習5▼新たな軸の持ち込み 解説
「あてずっぽう」のすすめ~ゆきづまりを突破する「アブダクション」
メソッド06・組み合わせて意味をつくる三点思考の型
演習6▼三点思考の型 3点セットで自己紹介
演習6▼三点思考の型 解説
文脈に導かれる~いい塩梅を捉える「アフォーダンス」
メソッド07・原型から価値を見出す アーキタイプ連想
演習7▼アーキタイプ連想 そもそも思考
演習7▼アーキタイプ連想 解説
原型をたどる~前提ごと問い直す「そもそも思考」
メソッド08・優れたモデルを借りてくる 見立ての技法
演習8▼見立ての技法 見立てると見えてくる
演習8▼見立ての技法 解説
「らしさ」に着目する~見えないものを「価値」に変える
メソッド09・好奇心を触発する 開け伏せ具合
演習9▼開け伏せ具合 「探究型読書」の入り口にチャレンジ
演習9▼開け伏せ具合 解説
伏せて、開ける~創造性を引き出す「余白」のマネジメント
メソッド10・物語の型を使う ヒーローズ・ジャーニー
演習10▼ヒーローズ・ジャーニー 自分の「英雄伝説」を描く
演習10▼ヒーローズ・ジャーニー 解説
物語を与える~心を動かす「ナラティブ・アプローチ」
第4章|編集工学研究所の仕事
編集工学研究所の仕事
事例01・本来から将来を描く「ルーツ・エディティング」プロジェクト
「らしさ」をたどり「ありたい未来」を描く「ルーツ・エディティング(roots editing)」
事例:「リクルートのユニークネス」プロジェクト
ルーツ・エディティングの手法とプロセス
リクルートの五観
事例02・書籍を通じて科学の魅力を届ける「科学道100冊」事業
理化学研究所×編集工学研究所のコラボレーション「科学道100冊」
未来を担う青少年のための「科学道100冊」シリーズ
プロジェクトの舞台裏:理研の100年と科学者の探究思考プロセス
文化資産としての書籍をもっと動かしたい
事例03・編集術を学ぶネットの学校「イシス編集学校」
2000年に誕生した「編集稽古」のオンライン・コミュニティ
なぜみんな「編集稽古」に夢中になるのか?
相互編集状態を生み出す、お題・回答・指南のラリー
「教室」という生命場を動かす「師範代」
イシス編集学校の「守破離」
第5章|世界はつながっている
編集の冒険へ~世界をどう見るか
ジオラマとピッチング・マシーン
この複雑にして難解な世界
Process & Reality ~ 有機体の哲学
オブジェのチャチャチャ
オブジェクト指向×花鳥風月の科学
「モノたちの宇宙」とホワイトヘッドの目覚め
想像力がつなぐ世界
あとがき

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