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ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来
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ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来

発売日 : 2017年9月14日
想定ページ数 : 232ページ
ISBN : 9784799321676
全文検索 : 非対応
テクノロジーの進歩と私たちの理解との間にあるギャップを埋めるにはどうすればいいのか。それを考えるのが本書の目的です。
 第1章は、「テクノロジーが生物学を変えた」として、読者の皆さんが小中学校で習った生物の授業の内容と、今の生物学がいかに異なるものであるか、その理由としてテクノロジーの導入があったことを最初に紹介します。
 第2章では、「ゲノム解析はデータ収集から始まる」として、ゲノム解析では膨大な人々からの膨大なデータが必要であることを示します。ジーンクエストの具体的な取り組みについても紹介します。
 第3章は、「『私』のすべてがデータ化されていく」と題して、ゲノムだけでなく、私たちのあらゆる生体情報をデータ化して解析することで生命の謎を解明しようとする取り組みを紹介します。
 ここまできて、読者の中には「『私』がデータ化されると何が変わるのか」「未来は一体どうなってしまうのか」と不安に思う方も出てくると思います。
 そこで第4章では、「生命科学のテクノロジーが『私』の理解を超えるとき」として、テクノロジーと社会の関係や、なぜテクノロジーの発展に人々や社会の理解が追いつかないのか、ジーンクエストの前日談とも言える大学祭のエピソードも交えながら考えていきます。
 そして、第5章の「生命科学の『流れ』を知れば『私』の世界と未来が見える」では、テクノロジーを有効活用するために一人ひとりができる心構えを述べます。
 答えを先に書くと、それは「流れ」です。流れを理解できれば、おのずと未来を思い描けるようになるのです。生命科学のテクノロジーにはどのようなメリットとリスクがあり、有効活用するためにはどうすればいいのか、未来に向けた考え方ができるようになるはずです。
 私の事業や専門分野の関係上、ゲノム解析に関連する話題が多いのですが、実はこれは、テクノロジーと社会との関係を考える一例にすぎません。
 今後も進歩を続けるテクノロジーをうまく活用するにはどう考え、どうつきあっていけばいいのか。皆さんの身近なテクノロジーを想像しながら考えていただきたいと思います。

目次

[PROLOGUE]はじめに
私がここにきた理由
大学を飛び出したからこそできる新しいゲノム解析
ゲノムから似顔絵を描く未来
進歩するテクノロジーと人々の不安
テクノロジーの進歩と私たちの理解のギャップを考える
[Chapter1]テクノロジーが生物学を変えた
100歳の男性が父親になる日
未来のがんチェックはトイレで
ゲノムに刻まれた私たちの祖先
生物学+テクノロジー=生命科学
期待されすぎたヒトゲノム計画
ゲノムを知る時代が当たり前になる
成長が著しく、予想しづらいのがテクノロジー
生命科学は大量の生命データを相手にする
タイミングの予測はできるか
テクノロジーの「流れ」を知ることならできる
[Chapter2]ゲノム解析はデータ収集から始まる
生命の法則性とは「生命現象の再現・予測・変化」
法則性の解明にはデータが必要
遺伝子の一本釣りから底引き網漁法へ
ジーンクエストも、生命の法則性の解明を目指している
ジーンクエストのデータの信頼性をチェックしてみた
インターネットの活用が生命科学研究を変える
仮説構築力からデザイン力へ
30万人のデータをもとに高学歴遺伝子を発見
アートと実利、サイエンスの二面性
ジーンクエストの研究でモテ期遺伝子が見つかるかも?
[Chapter3]「私」のすべてがデータ化されていく
ゲノム解析は当たり前のテクノロジーになった
アメリカ100万人、イギリス10万人、アジア10万人
ポジティブ遺伝子の探索が始まった
テラバイトのゲノムデータをどこに保存するか
ゲノムデータをシェアする時代へ
遺伝子は企業の特許?
ゲノム以外のデータも集められている
「腸内細菌」までもが徹底的に調べられている
ウェアラブルデバイスは今後どう使えるか
生命データが加速度的に集約されていく
そして、あらゆる生命データが統合されていく
データが活用されることへの期待と不安が生まれる
[Chapter4]生命科学のテクノロジーが「私」の理解を超えるとき
「遺伝子検査」ではなく「ゲノム解析サービス」
遺伝子決定論という誤解
ジーンクエスト批判への反論
大学祭の遺伝子解析の企画で感じた社会とのギャップ
法則を解明するテクノロジー、影響を考える社会
テクノロジーは、社会の受け入れ体制よりも早く発展する
社会的な合意には時間がかかってしまう
結論は歴史・文化・宗教観に左右される
テクノロジーと社会とのギャップは今後ますます大きくなる
[Chapter5]生命科学の「流れ」を知れば「私」の世界と未来が見える
テクノロジーは幸せになるためのツール
議論を呼ぶテクノロジーこそ社会を変える
テクノロジーの流れは誰でも理解できる
未来に向かって物事は変化するという時間軸を意識する
時間軸を含めずに議論してしまった遺伝子組換え作物
今、時間軸を含めて議論すべき生命科学のテクノロジーの一例
生命科学は面白いからこそ活用したい
[EPILOGUE]おわりに

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