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右傾社会ニッポン
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右傾社会ニッポン

発売日 : 2014年10月28日
想定ページ数 : 280ページ
ISBN : 9784799315811
全文検索 : 非対応
日本は「右傾化」しているといわれている。ネット右翼、憲法改正論、中国や韓国との軋轢、さらには「美しい国」ニッポンという自画自賛など、たしかにその兆しはあるようにも思える。
しかし、はたしてこれらは本当に右翼の台頭を示すものなのだろうか? 右翼による社会改革はありえるのか?
本書は、日本に蔓延する「右翼的」な雰囲気の正体を、国内の経済衰退と自信の喪失、日米中韓の関係性の変化から読み解き、右傾社会の実体を明らかにしていく。さらに、政治家や官僚などエリートが右傾化することに警鐘を鳴らしつつ、厳しさを増す国際環境をサバイブできる合理的な「中道・右翼政権」の出現を期待する。

目次

はじめに
第一章 右傾化とはどういう現象をいうのか?
右傾化を理解するためには「右翼と左翼」「保守」「ナショナリズム」を知らなければならない
右翼と左翼の定義・主義主張の違いとは?
学者がこねくりまわしてわかりにくい「ナショナリズム」の意味とは?
「保守」の定義とリベラル学者から反共右翼まで包み込む「保守」の深さ
「大きな政府=左翼」「小さな政府=右翼」とはまったく限らない
現代ニッポンのどういうところを見れば右傾化が読みとれるのか?
第二章 「右傾化」と「普通の国になるべきだ論」と「排外主義」は同じものか?
日本は右傾化してやっと「普通の国」になるのではないのか?
憲法改正を求める声が強いのは右傾化の現れなのか?
右翼と排外主義とはどう違うのか? 右翼は本来優しくて包括的なもの
第二次安倍政権が支持される理由は強気な安保政策か、それとも「何でもあり」のアベノミクスか?
右傾化は右翼の台頭ではなく、批判ばかりの左翼が国民から見捨てられたから
日本を礼賛するのはナショナリズムの現れなのか?
テレビ局の若手スタッフにもっとも大きな影響を与えるのはネット右翼?
徐々に日本に浸透しつつある「強い民族主義」と「他国や国際社会への批判」
四つに分けられる現代日本の右翼 ─親米右翼・反米右翼・拝外主義・ハイブリッド型右翼─
第三章 右傾化しているのはどういう人か? ─ネット右翼は本当に低学歴・低所得・底辺層のモテナイ君か?─
街宣カーの強面=右翼というイメージが崩壊して「第三の右翼」が登場
第三の右翼=社会に不満を持つモテナイ底辺層は本当か?
「普通の人」が右傾化しているのが現代ニッポン
中国や韓国への親しみの変化から読み解く、日本の右傾化の分岐点
右傾化のきっかけとなった事件・出来事は何か?
「右傾化だ!」と叫ぼうとしているのは日本人全体ではなく、日本の左翼・マスコミと海外マスコミ?
第四章 日本はなぜ右傾化するようになったのか?
内部要因としての長期不況 ─戦後日本のナショナリズムは経済成長にあった─
長期不況が文化ナショナリズムを惹起するメカニズム
日本の長期不況は陰謀だという「言い訳ナショナリズム」
日中韓でシンクロする「フリーター・ニート」「蟻族」「88万ウォン世代」
日本の国力が低下するなかではびこる「すべては外国のせい」という陰謀論
右傾化を導いたのは、都合に合わせて民主主義を使い分ける大マスコミの凋落
「自虐についての解釈」がマスコミと国民で大きく分かれる瞬間
長期不況だけでは説明がつかない日本の右傾化
日本の衰退とナショナリズム
戦争体験の風化のなかで、心にずしりと響くようになった安倍総理の「国を守る」という絶叫
アメリカ一極支配から多極支配の構造へ変化するなか、日本は中国を封じ込めることができるのか?
第五章 日本の右傾化のリアル度数
日本が右傾化して戦争に突入する?のリアル度を測る三つの尺度
安全保障問題を思想・憲法・抽象論で語ることが許される、戦後日本のお気楽さ
日本の排外主義はヨーロッパの右翼とくらべると、そんなに強烈なものなのか?
新しい右翼団体・右翼政党は国民の支持を得つつあるのか?
歴史修正主義は親米保守の枠組みのなかでしか身動きできない悲しい運命
内政では傍若無人なポピュリズムのくせに、外交は「プロに任せておけばいい」というへっぴり腰な日本の世論
自虐ネタが恋しくてたまらない日本人は必ず自虐ネタに回帰する?
第六章 右翼は社会変革できるのか?
「課題先進国」ニッポンに右翼はどう切り込むつもりなのか?
民族主義者であるにもかかわらず、格差をもたらす新自由主義を選択する体制右翼
経済政策から社会政策までの政策体系を示せない在野右翼
過去や伝統ばかりを拝んで、いまだに「維新」がスローガンの右翼に社会改革は可能か?
社会変革としての右翼イデオロギー
「北一輝と昭和維新」VS「国家総動員なき制限戦争の現代世界」
民族力を高めるのは「人か企業か」で悩む現代体制派右翼のジレンマ
どう考えても庶民にトリックルダウンしない右派の新自由主義と国力重点主義
第七章 現代ニッポンでもっとも危険なのは右翼ではなく激しく変化する「お任せ民主主義」
少し危険な日本の「気分次第の右傾化」路線
閉塞感に包まれた日本社会で次々と血祭りにあげられる既得権益者の面々
霞ヶ関の官僚もちびりそうになった「官僚バッシング」と「役所を変えれば日本が変わる」という幻想
国民の敵意はなぜ既得権益者から中国や韓国へと急に変化したのか?
激しく揺れ動く、不安定な日本の世論こそ諸悪の根源か?
「既得権益者バッシング」→「嫌中・嫌韓」の次に来るのは「大企業バッシング」か?
大衆民主主義のうねりのなかで日本を治められるのは天皇制と経済成長だけなのか?
日本人を誰も傷つけず外国にすべてをなすりつける右傾化のおそるべき「効果」
ネット右翼=ネトウヨがネット左翼=ネトサヨに大変身して右傾化に歯止めがかかる可能性は?
第八章 うつろいやすい世間の右傾化の裏で進むエリート達の右傾化にこそ気をつけよ!
「政官関係」は癒着→敵対→思想共同体へ
「憲法9条を抱いて死にます」とは言えない憂国の政治エリートを揺るがす国際環境の激変
政治エリートが道を誤る四つの可能性
親米保守が没落する日
「体力なき大国主義」が破滅を招く
新しい右翼政党の誕生の可能性
「日本の未来とビジョン」を明確に持っている政治エリートの誕生とビジョンなき日本社会
内政のジレンマを克服するための政治主導体制が外交安保独裁を招く歴史の皮肉
最終章 右傾化はどこまで進むのか?
右傾社会とは?
国力低下と国際環境の激変で、日本の右傾化はさらに進む?
過激化する右傾化を防止するためのメカニズムを
右傾化と左傾化はどっちがいいか?
合理的で冷静な安全保障政策を確立するために
おわりに
参考文献

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