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脳科学より心理学
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脳科学より心理学

発売日 : 2011年4月15日
想定ページ数 : 232ページ
ISBN : 9784887598829
全文検索 : 非対応
つい数年前まで「脳科学は万能である」ともてはやされたブームも、いまやすっかり下火になりました。精神科医として活躍する和田秀樹さんは、当時のことを「前時代的な幻想だった」と振り返ります。
曰く、脳科学はまだまだ過渡期にある学問で、ほとんどの学説がいずれ覆るかもしれない仮説にすぎず、再現性・実証性に乏しいものだった、と。

ポスト脳科学時代のいま、私たちの頭を良くするものとして和田さんが提唱するのが「心理学」です。
心理学といっても、肝は「仮説→結果を分析・検証→再び仮説…」のサイクルを癖として持つこと。これを回し続けるだけで、マーケティング、セールス、マネジメント、ひいては生き方そのものにも応用することができます。

さあ、あなたもこの21世紀型の「頭の良さ」を、一足先に身につけてみてください。

目次

表紙
プロローグ 脳科学ブームは、前時代的な幻想である
脳は、コンピュータで言えばハードの部分
脳科学はまだまだ過渡期にある中途半端な学問
脳というハードの性能を左右するソフトを研究するのが心理学
そもそも20世紀型科学の前提は正しかったのか?
心理学は、脳科学に代わる21世紀のキーワード
目  次
第1章 心理学は、脳のソフト全般を扱う科学である
知能研究こそ、心理学の最重要テーマ !?
心理学者にとって、テストが命!
まったく異なる2つの心理学——実験心理学と臨床心理学
実験心理学は共通モデルを、臨床心理学は個別性を探る
フロイトの現代心理学と精神医学に対する功績とは……
素人カウンセラーと心理学者を隔てるものとは?
心理学は役に立つ! アメリカと日本の違い
第2章 脳科学の限界
脳科学がわたしたちにもたらしてくれているもの
脳トレで、脳が若返る? 百マス計算で、頭が良くなる?
脳というハードの性能が多少よくなっても、それを生かすソフトを入れ替えなければ何も変わらない
脳科学の最大の限界
脳科学の進歩を待てない現実
脳科学とされているものの一部は、認知科学
精神医学と臨床心理学の深い溝
ボーダーラインをめぐる精神医学のブレ
精神医学のウソ
実は、精神医学より臨床心理学のほうが劇薬!
実は、心理学のほうが実証的。脳科学こそ、仮説と空想と思いつきの世界
第3章 心理学で頭を良くする
ビネー式知能検査の値である知能指数(IQ)=頭の良さ? 
成人用知能検査、WAISの限界
知能検査では測れない知能がある!ガードナーの多重知能の登場
頭の良さが多様化したのはよいが、テレビ的頭の良さの蔓延は……
知識が先か? 創造が先か?認知心理学が明らかにしたこと
人間とコンピュータの大きな違い「メタ認知」と「メタ認知的活動」
賢い人ほど曖昧さに耐えることができる。「認知的成熟度」を身につけよう
もの知りは頭が良いのか?頭の良いもの知りと、頭の悪いもの知り
頭の悪いもの知りの典型は、インプットばかりでアウトプットをしない「書斎の人」
ハーバード・ビジネススクールを出ても、その2割は成功しない?心の知能指数EQの誕生!
和田式「知的体力」
頭の良さを規定する「スキーマから脱却する」能力
頭の柔らかさがなぜ必要か?
第4章 やる気の心理学
セックスは目的か、手段か? フロイト以降の対立
コンプレックスを発見!? アドラーの登場
フロイトからアドラーまで動機理論を体系化するマズローの欲求五段階説はいまでも使えるか?
人のやる気も、アメとムチで!?ワトソンの行動主義心理学
知恵の輪で遊ぶサルを発見!
内発的動機教育の拡がりと失敗
内発的動機論の失敗が外発的動機の経営、極端な成果主義を生んだ!?
内発的動機教育が、勉強の好きな子にまで、勉強するなんてダサい、と思わせてしまった!?
人によって動機体系は異なる
動機づけの処方箋——3つの法則と9つの原理
動機の処方箋に万能薬はない
第5章 心理学をビジネスに応用する
マーケティングに心理学者が必要な理由
セールスには、臨床心理学的アプローチが応用できる
個別の部下指導には、「やる気の心理学」が役立つ
社会心理学から見た集団心理
人はグループになると、どんな心理が働くのか?
人は、合理的にではなくて、心理学的に動く
値段を下げるか? 給料を上げるか?
お金を使う人にインセンティブを与える。お金を貯めているだけの人にハンディを与える。
お金を持っていても消費しない高齢者から、消費したくてもお金のない若年層への資産移転を
主役を生産者から消費者へ
第6章 心理学はなぜ誤解されるのか?
心理学は、人の心を決めつけない
心理学は宗教ではない
臨床心理士だけが心理学者ではない
心理学は哲学から始まったが……
心理学は客観と主観の両方がテーマ
だれでも心理学者になれるが、だれもが心理学者ではない
心理学的生き方のすすめ
エピローグ
「忘れた」のではなく「引き出せない」?
心理学はこれからも進歩していく学問
心理学的生き方で心の健康を!
著作権

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