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幸福のための努力論 エッセンシャル版
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幸福のための努力論 エッセンシャル版

発売日 : 2018年7月12日
想定ページ数 : 176ページ
ISBN : 9784799323199
全文検索 : 非対応
幸田露伴といえば、『五重塔』や『風流仏』などの小説で有名な明治大正時代を代表する文豪として知られています。しかし、露伴の天分は単に小説家としての能力だけにとどまるものではありませんでした。露伴はそうした小説家としての能力だけではなく、諸事百般に通じた「百年に一人の頭脳」(小泉信三)の持ち主であり、特に漢文や仏教に関する造詣の深さには、専門家をはるかに凌ぐものがありました。そうした露伴の教養の深さや人間観、さらには、一人の人間としての露伴の人生に対する心のもち方や姿勢が最もよく表れているのが、本書でご紹介する「露伴の人生論の双璧」といわれている『努力論』と『修省論』なのです。

 『努力論』については、私自身これまでにも拙著『人間力を高める読書案内』(ディスカヴァー携書)や『自己啓発の名著30』(ちくま新書)でも取り上げるなど、私の最も愛読する人生の指針となっている本です。
『努力論』に収められている各編は、もともと、明治の末に『成功雑誌』など当時の青年によく読まれた雑誌に掲載されたものです。内容的には、青年や若者を中心とした人生に悩む人たちに向けて、どのような心のもち方をすれば人生を肯定的、前向きに生きていけるかということを、豊富な具体例と絶妙な比喩を用いて説いたものになっています。
中でも、「直接の努力」と「間接の努力」、「惜福、分福、植福」の「幸福三説」、「正、大、精、深」の「修学の四標的」といった露伴の所説については、充実したよりよき人生を生きていくための指針として特に有名です。
 本書でご紹介するもう一つの書である『修省論』は、『努力論』の出版から数年遅れた大正三年に出版されたもので、両書の出版時期に大きな隔たりはありません。また、内容的にも、日々の絶え間ない向上心と小さな努力の積み重ねが大きな成功を生むという、露伴の人生に対する根本的な考え方は両書に流れる通奏低音として共通しています。

本書では、そうした露伴の難解な文章を平易な現代文に書き直した上で、原著に見られる繰り返しや冗長な部分を大胆に削除して、『努力論』と『修省論』の最も重要なエッセンスを抜き出し、現代の読者にも読みやすいように編集しました。

 これまで、私は自分の生き方に迷ったときや、仕事上の人間関係などで悩んだときなどには、いつも『努力論』と『修省論』を読み返してきました。そして、そのつどこの両書は私に新たに前向きな気持ちで生きていく勇気を与えてくれました。読者の皆様にとっても、本書がこれからの人生を力強く生きていく上での一助となることを心から願っています。

※本書は2013年11月に小社より刊行された『超訳 努力論』から173の言葉を厳選し、文庫エッセンシャル版として再編集したものです。

目次

はじめに
Ⅰ 努力で運命を切り開く
〇〇一 人間は努力するように生まれてきた
〇〇二 二種類の努力を忘れるな
〇〇三 努力の方向を間違えてはいけない
〇〇四 「努力している」と思っているうちはまだダメだ
〇〇五 運命に泣き言を言うな
〇〇六 運命は自分で支配せよ
〇〇七 成功者は運命を忘れ、失敗者は個人の力を忘れる
〇〇八 他人に責任転嫁をするな
〇〇九 反省が成功の最大の秘訣
〇一〇 他人を恨めば不運を招く
〇一一 どこから手を着けるかが重要だ
〇一二 昨日と同じ自分でいるな
〇一三 自分の能力を引き出してくれる人に従え
〇一四 従うと決めた人の一部分であるかのように
〇一五 現状に満足してはいけない
〇一六 昨日の自分を弁護するな
Ⅱ 幸福を引き寄せる
〇一七 幸福を得たかったら「惜福」の工夫をせよ
〇一八 幸運に出会っても、調子に乗って使い果たすな
〇一九 惜福は「ケチ」ではない
〇二〇 徳川家康は惜福の天才だった
〇二一 福を惜しむ人は、人に愛され信頼される
〇二二 「分福」は積極的な行為だ
〇二三 人に分け与えることは自分を幸福にする
〇二四 福を独占するのは卑劣な行為だ
〇二五 河に酒を注いで、兵と分かち合った武将
〇二六 福を分かつ心は春風のようにやわらかく温かい
〇二七 福を分かち合わない人は人の上に立てない
〇二八 利益を独占すれば利益を失う
〇二九 大成するには他人の力も必要
〇三〇 「植福」こそ最高の福である
〇三一 植福は自分と社会に二重の喜びをもたらす
〇三二 小さなことの積み重ねが大きな未来につながる
〇三三 文明は先人の植福のおかげだ
〇三四 徳を積み知識を増やせ
〇三五 福を植える人は敬愛される
Ⅲ 目標に向かって進む
〇三六 すべての文明は人間の努力の結果だ
〇三七 努力なしには何事も成し遂げられない
〇三八 好きなことをするのにも努力が必要だ
〇三九 人生の唯一の味方は努力だ
〇四〇 努力の積み重ねが天才を生む
〇四一 人生で最も尊いのは努力だ
〇四二 人生の意義は努力することにある
〇四三 明確な目標をもって学べ
〇四四 学問の目標は「正・大・精・深」
〇四五 「正」……奇書や奇説に惑わされるな
〇四六 「正」……学問の正道を歩め
〇四七 「大」……自分の限界に挑戦せよ
〇四八 「大」……人は学べば大となる
〇四九 「精」……精密さを心がけよ
〇五〇 「深」……守備範囲を広げすぎるな
〇五一 「深」……自分の専門分野を深く究めよ
〇五二 高い志をもて
〇五三 自分の性格に合った志をもて
〇五四 的を絞れば成功する
Ⅳ 無理のない生き方をする
〇五五 「やわらかみ」と「あたたかみ」をもて
〇五六 助長の心で人に接しよう
〇五七 四季は人間に大きな影響を与えている
〇五八 自然に順応して生きよ
〇五九 病気を自分で招き寄せていないか?
〇六〇 病人には心からの思いやりを示せ
〇六一 健康になるために積極的な努力をせよ
〇六二 本来の身体機能を使えば健康になれる
Ⅴ 自分の「気」をコントロールする
〇六三 「静かな光」と「動く光」
〇六四 「気が散る」状態では何でもうまくいかない
〇六五 「気が凝る」ことも要注意
〇六六 人間は小さな造物主になれる
〇六七 するべきことをし、思うべきことを思う
〇六八 今していることに集中せよ
〇六九 何事にも全身全霊であたれ
〇七〇 物事にはただちに取りかかれ
〇七一 自分の好き嫌いに素直に従え
〇七二 好きなことをしていれば、自分の持ち味を発揮できる
〇七三 すべてのものは時間の支配を受けている
〇七四 世の中の基本は「無定有変」
〇七五 「努力」よりも「気の張り」はさらにいい
〇七六 気の張りは最高の力を引き出す
〇七七 「逸(はや)る気」は長続きしない
〇七八 「昂(たかぶ)る気」をコントロールせよ
〇七九 「凝(こ)る気」は大局を見失わせる
〇八〇 「凝る気」で失敗した武田勝頼と「張る気」で成功した豊臣秀吉
〇八一 一つの状態にとどまるな
Ⅵ 高級な感情を育てる
〇八二 恐れ、慎め
〇八三 恐れ慎みが天の助けを呼ぶ
〇八四 自分を大きいと思う者は最も小さい者だ
〇八五 感情にもレベルがある
〇八六 高級な感情を育てよう
〇八七 高級な感情とはどういうものか
〇八八 感情は私有物ではない
〇八九 低級な感情は低級な知識よりも危険だ
〇九〇 同じ職業の中には同級感情がある
〇九一 仲間はずれになることを恐れるな
〇九二 向上心をもって同級感情を打ち破れ
〇九三 悲観は高貴な感情だ
〇九四 悲観は自己中心思想を抑える
〇九五 自己の利益を超越して悲観をもて
〇九六 悲観と怯観(きょうかん)を混同するな
〇九七 犠牲的行為の価値は動機にある
〇九八 犠牲になることができるのが最も自由な人だ
〇九九 犠牲的精神が進歩発展をもたらす
一〇〇 自分の心の奥底の声に動くのが真の犠牲者だ
一〇一 身代わりと犠牲を混同するな
一〇二 三毒に染まるな
一〇三 現代の三毒は「老毒」「壮毒」「自覚毒」だ
一〇四 とかく古いことを好むのが「老毒」
一〇五 老毒が回ると先の心配ばかりするようになる
一〇六 自分は老毒に侵されていないか?
一〇七 若者がバカなことをするのは「壮毒」のせい
一〇八 「わかったつもり」が「自覚毒」
Ⅶ シンプルな生活を送る
一〇九 世の中の雑事に惑わされるな
一一〇 世俗的満足を超えた理想をもて
一一一 シンプルに生きよう
一一二 シンプルにすべきなのは外面だけではない
一一三 シンプルであれば心は乱れない
一一四 貧乏があなたを苦しめるのではなく、あなたが貧乏に苦しむのだ
一一五 貧乏は人間を鍛える
一一六 貧乏は真の友人を残す
一一七 貧乏は真実を悟らせる
一一八 貧乏は人間を成長させる
一一九 空っぽな人生を送るな
一二〇 空っぽな人は信頼できない
一二一 教育は空っぽな人間を生産している
一二二 空っぽな人間が社会をだめにする
一二三 毎日の生活を充実させよう
一二四 新しいことがいいとはかぎらない
一二五 古ければいいということでもない
一二六 価値のある古さこそが重要だ
一二七 新しさや古さは善悪とは関係ない
一二八 「昨日の新」は「今日の古」
一二九 新しいか古いかではなく善悪を人生の指針とせよ
一三〇 順当に行くことのよさ、逆さまのよさ
一三一 上の者は下の者より苦労せよ
Ⅷ 自分と人の能力を伸ばす
一三二 物事の成果はそれにかけた時間によって決まる
一三三 時間を尊重せよ
一三四 時間短縮が進歩をもたらす
一三五 過程の短縮を目指せ
一三六 「可能率」の高いものは予備力が大きい
一三七 人間の差は非常時にこそ表れる
一三八 自分の可能率を拡大させよ
一三九 能力は鍛えなければ低下する
一四〇 安易なやり方をしていると精神力が衰える
一四一 自己啓発の方法に注意せよ
一四二 自己啓発は功利中心になってはいけない
一四三 世の中に生やさしいことは一つもない
一四四 人は何か欠けているのが当たり前
一四五 何事も根を育てるのが最も大切だ
一四六 見当違いの努力は失敗に終わる
Ⅸ 事業を発展させる
一四七 事業の種類に優劣はない
一四八 事業家の優劣は時間と利益で決まる
一四九 事業で大切なのは継続性と信用だ
一五〇 堅実に事業を行う事業家はまだ中級だ
一五一 国益を考えるのが上級事業家
一五二 世界の利益を考えるのが最上級事業家
一五三 金と花火は放つときだけ輝く
一五四 取り巻き連中に気をつけろ
一五五 取り巻きは社会との関係を遮断する
一五六 事業は急に成長するときが一番危ない
Ⅹ 人間関係を築く
一五七 自助と互助のバランスが必要だ
一五八 自助だけが目標では互助の精神は生まれない
一五九 日本文化は互助の精神を軽視してきた
一六〇 互助の欠如は排他につながる
一六一 すべての堕落の根源は自棄にある
一六二 衝突と闘争は人間の愚かさが原因
一六三 二者の差が食い違いと衝突を生む
一六四 無意識のすれ違いが最も危険
一六五 偶然から人間関係が悪くなることもある
一六六 「余気」に注意せよ
一六七 余気は避けられない
一六八 原点に戻ってお互いを理解しよう
一六九 人を信じよ
一七〇 人を信じない人は人から信じられない
一七一 人を信じないと快活さが失われる
一七二 人を信じることは一種の苦行だ
一七三 人を信じることが飛躍に通じる

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