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クオンタムユニバース 量子 すべては近似にすぎないのか?
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クオンタムユニバース 量子 すべては近似にすぎないのか?

発売日 : 2016年6月16日
想定ページ数 : 360ページ
ISBN : 9784799319147
全文検索 : 非対応
「量子力学」は、万物のふるまいを説明する三つの大理論の一つだ。残りの二つは、アルベルト・アインシュタインが提唱した「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」で、時間と空間と「万有引力」を対象にしている。ほかのすべてを対象にするのが量子力学で、満足しようが途方に暮れようが、自然のふるまいを予測するという実用的な価値において、正確さと適用範囲の広さを誇っている。
 何かの役に立つことはかならずしも科学の目的ではないが、純粋な興味からはじまった基礎研究によって、しばしば技術や社会に大変革がもたらされてきた。あらゆる分野での発見のおかげで寿命が延び、飛行機や電子メールが大陸のあいだを行き交う。人々は単調な肉体労働から解放され、無限の宇宙へと思いをはせる。だが、そのような成果は、ある意味すべて副産物だ。科学者の動機は好奇心にあり、理論の拡張や製品の改良にあるのではない。
 深遠な理論が広範に適用できる好例として、おそらく量子力学は真っ先にあげられる。粒子が複数の場所に同時に存在し、瞬時に宇宙のかなたまで飛んでいくと主張するのだから、これほど深遠な理論もない。宇宙を構成する基本要素のふるまいを理解すれば、森羅万象が説明できるのだから、これほど適用範囲が広い理論もない。
 この本の目的の一つは、量子力学から神秘性を取り除くことにある。その理論が誕生したときから、研究者の困惑がはじまった。一〇〇年にわたる努力のおかげで、現在では全貌の理解も進んでいる。だが、歴史的な背景を知るためにも、一九世紀が終わろうとする時代から説明をはじめたい。当時の物理学者は、なぜ、それまでにない革新的な理論にたどり着いたのか?
(第一章より)

目次

1 何か奇妙なことが起こっている
驚くべき一致
単純な法則、複雑な現象
奇妙だが、神秘ではない
2 二つの場所に同時に存在する
跳ね返る砲弾
分光学の理論と原子の構造
非常識で納得いかない理論の誕生
ニュートンの理論
古典的世界像の限界
3 粒子とは何か?
複数の場所に同時に存在する
時計の針と位相
時計の正体
波動関数の大胆な解釈
4 起こる可能性があれば実際に起こる
一瞬であらゆる場所に
ただ規則にしたがう
ハイゼンベルクの不確定性原理
時計から不確定性原理を導く
プランク定数の手短な歴史
ふたたび不確定性原理へ
5 粒子が動くという幻想
粒子の動き
ド・ブロイの方程式
波束
フーリエ級数への分解
運動量表示の波動関数
6 原子がかなでる音楽
定常波
閉じ込められた電子
電子の運動エネルギー
原子スペクトルの正体
原子のポテンシャル
7 足が床を突き抜けない理由
量子数
量子数と周期表
パウリの排他律
排他律を時計であらわす
時計の一体化
フェルミ粒子とボース粒子
8 原子のきずな
粒子が二個だけの世界
二重井戸型ポテンシャル
二つの井戸に二つの粒子
原子がN個の世界
電子の流れ
9 二〇世紀最大の発明
電子と正孔
偉大な不純物
半導体を接合する
トランジスターの原理
10 からみ合う粒子
量子電磁力学
ファインマン・ダイアグラム
観測との相互作用
歴史の干渉
反粒子のタイムトラベル
11 真空は粒子で満ちている
素粒子物理学の標準モデル
質量の正体
ヒッグス機構
エピローグ 恒星の最期
白色矮星とチャンドラセカール限界
恒星の命運と質量
電子の圧力
電子の圧力と万有引力をバランスさせる

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