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国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ
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国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ

発売日 : 2015年8月27日
想定ページ数 : 375ページ
ISBN : 9784799317563
全文検索 : 非対応
※本書はEPUB(固定レイアウト型)で作成されております。検索機能や文字列のコピーがご利用できません。

歴史を自然科学のように研究することはできるだろうか?
 本書の著者、ピーター・ターチンは、歴史×数学という新しい枠組みで、この問いへの回答を試みる。このようなアプローチの重要性を示すことからはじめ(1章 取り組むべき課題・問題を明らかにする)、数学の簡単な紹介の後(2章 地政学)、歴史文献の圧倒的なレビューと精緻なモデル化で理論の検証を行う。

 まずは「地政学」である。国境線や国家の置かれた地形によって国家の興亡を説明できるだろうか? 社会学的な記述を数式に落とし込んで分析した結果、国家の興亡が繰り返されてきた過去の歴史を再現するには何かが足りないことが示唆された(3章 集合的連帯)。
 そこで注目したのが記号的に区分された集団(エトニー)が連帯して行動を起こす力である。これをもとに、メタエトニー辺境理論という新たな理論を提案する(4章 メタエトニー辺境理論)。これを実際の歴史と照らし合わせることで、高い説明力を持つ理論であることが確認された(5章 メタエトニー辺境理論の実証検証)。

 次に、記号的に区分された集団であるエトニーがいかにして形成されるかを考察するために「民族運動学」を展開する。これは、ある民族がいかにして帝国に取り込まれるか、あるいは新たな宗教に改宗するかといったことを説明するための理論である。複数のモデルを作成し、それを実データと対比することで、自分の周囲の人の動向に歩調を揃える「自己触媒モデル」の説明力が高いことが示された(6章 民族運動学)。

 そして、人口と国家の動態とを結びつける「人口構造理論」を展開する。人口をエリートと農民の2階級に分けて考えることで、エリートのふるまいが国家の衰退に対して強い影響をあたえることが明らかとなった(7章 人口構造理論)。また、この「人口構造理論」から、長期にわたる人口の増減が歴史上普遍的な流れであることが示唆され、再び実データと対比することによってその傾向を確認した(8章 永年サイクル)。

 本書のしめくくりとして、ここまでに築きあげた理論を用いて、フランスとロシアの歴史を紐解いていく。ここで作り上げた3つの理論が、両国家の歴史をみごとに描くことが示されると同時に、理論の改善すべき点も示唆された(9章 ケーススタディ)。

 最後に、本書の全体を振り返るとともに、この新しい研究分野を「動的経済史」と呼ぶことが提案される(10章 結論)。

目次

謝辞
はじめに
1章 取り組むべき課題・問題を明らかにする
1.1 なぜ、歴史に数学的理論が必要なのか?
1.2 研究プログラムとしての国家興亡の方程式
  • 1.2.1 問題の範囲を定める
  • 1.2.2 農業国家を取り上げる理由
  • 1.2.3 モデル化の方針
  • 1.2.4 数理的フレームワークの概略
1.3 まとめ
2章 地政学
2.1 ダイナミクスの基本
  • 2.1.1 無制限成長のダイナミクス
  • 2.1.2 無制限成長のダイナミクス
  • 2.1.3 活況/沈滞ダイナミクスと持続的振動
  • 2.1.4 国家興亡の方程式の意味
2.2 Collinsの地政学理論とそのモデル
  • 2.2.1 規模と距離の効果をモデル化する
  • 2.2.2 国境の配置の効果
  • 2.2.3 Hannemanの「紛争―支配の正当性」ダイナミクス
2.3 一階プロセスとしての地政学
2.4 まとめ
3章 集合的連帯
3.1 社会学における集団とは?
  • 3.1.1 分析の単位
  • 3.1.2 連帯的ふるまいの発達
  • 3.1.3 どの程度の規模を社会とするか
  • 3.1.4 どの程度の規模を社会とするか
  • 3.1.5 集合的連帯と歴史動態
3.2 集合的連帯と歴史動態
  • 3.2.1 Ibn Khaldunの理論
  • 3.2.2 Gumilevの理論
  • 3.2.3 近代的な理論との関係
3.3 まとめ
4章 メタエトニー辺境理論
4.1 メタエトニー辺境理論の提案
  • 4.1.1 連帯感の増大を引き起こす要因
  • 4.1.2 帝国の境界とメタエトニー断層の関係
  • 4.1.3 アサビーヤを増大させる文化的構造
  • 4.1.4 メタエトニー辺境理論で先行文献を紐解く
4.2 メタエトニー辺境理論のモデル化
  • 4.2.1 単純な解析的モデル(擬似空間モデル)
  • 4.2.2 空間を明示的に取り込んだモデル
4.3 まとめ
5章 メタエトニー辺境理論の実証検証
5.1 実証テストを設定する
  • 5.1.1 辺境の定量化
  • 5.1.2 政体の源としての辺境
5.2 メタエトニー辺境理論の検証結果
  • 5.2.1 紀元0~1000年のヨーロッパ
  • 5.2.2 紀元1000~1900年のヨーロッパ
5.3 国境の配置の効果
5.4 ヨーロッパの成り立ち
5.5 まとめ
6章 民族運動学
6.1 民族運動学とは?
6.2 民族運動学のモデル化
  • 6.2.1 空間を考慮しない民族運動学のモデル
  • 6.2.2 空間を明示的に取り込んだ民族運動学のモデル
6.3 民族運動学の実証検証
  • 6.3.1 事例1:イスラームへの改宗
  • 6.3.2 事例2:キリスト教の台頭
  • 6.3.3 事例3:モルモン教会の成長
6.4 データは自己触媒モデルを支持する
6.5 まとめ
7章 人口構造理論
7.1 人口動態と国家衰退との関係
7.2 人口構造理論とそのモデル化
  • 7.2.1 人口財政モデル
  • 7.2.2 階級構造の追加
  • 7.2.3 エリートサイクルのモデル
  • 7.2.4 中国の王朝サイクルのモデル
  • 7.2.5 理論的知見のまとめ
7.3 人口構造理論の実証検証
  • 7.3.1 近代初期国家の周期的滅亡
  • 7.3.2 巨大な波
  • 7.3.3 黒死病以降
7.4 まとめ
8章 永年サイクル
8.1 人口構造理論からの予測
8.2 人口動態の「スケール」と「階数」
8.3 長期にわたる実証データの探求
  • 8.3.1 歴史的人口を再構築する
  • 8.3.2 考古学的データ
8.4 人口動態と政情不安の関係
8.5 まとめ
9章 ケーススタディ
9.1 フランス
  • 9.1.1 辺境の起源
  • 9.1.2 永年波動
  • 9.1.3 まとめ
9.2 ロシア
  • 9.2.1 辺境の起源
  • 9.2.2 永年波動
  • 9.2.3 まとめ
10章 結論
10.1 主要な成果の概要
  • 10.1.1 メタエトニー辺境理論
  • 10.1.2 民族運動学
  • 10.1.3 人口構造理論
  • 10.1.4 地政学
10.2 異なるメカニズムを結びつけて全体を統合するには?
10.3 研究の間口を広げる
10.4 動的経済史の理論構築へ向けて
付録A 数理的付録
A.1 Hannemanモデルを微分方程式に変換
A.2 辺境仮説の空間シミュレーション
A.3 階級構造を持つ人口構造モデル
A.4 エリートサイクルのモデル
付録B メ タエトニー辺境理論のテストに用いたデータの概要
B.1 「文化領域」の簡潔な記述
B.2 辺境の定量化
B.3 政体規模の定量化:紀元後最初の千年紀
B.4 政体規模の定量化:紀元後第2千年紀
参考文献
索引

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