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教養としての言語論
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教養としての言語論

ISBN : 9784867760529
全文検索 : 非対応
本書のタイトルは、「教養としての言語論―言語は私たちをまやかし生きにくくさせる」です。 ややネガティブないい回しに「おやっ?」と思われた方も多いと思います。本書を通して、日頃私たちが意識的・無意識的に使っている言語について、改めて考えるきっかけにしていただけたら幸いです。
私たちは常日頃、言語を用いたコミュニケーションを躊躇なく行っています。そして私たちは知らず知らずのうちに、言語こそ動物と人間を違える優れた文明的発明であり、言語があるからこそ他人と分かり合える、言語があるからこそ物事を概念化して考えられ、詳しく、正しく自分の思いを伝えることができると思っています。しかし私はこの考えに強い疑問を持っています。言語は時として私たちを苦しめ、私たちの生き方や考え方を窮屈にさせてはいないでしょうか?
本書では、私の立場を明確にして、皆さんに言語についての様々な問いを投げかけたいと思います。言語とコミュニケーションに関する知見を提示しながら、言語哲学的な考察にはじまり、ビジネス、映像、英語教育に至るまで、様々なトピックを取り上げます。(「はじめに」より)
(※本書は2021/11/8に日本橋出版より発売された書籍を電子化したものです)

目次

はじめに
1 人が言語を持つことは本当に素晴らしいことなのか?──言語は私たちをまやかす
1-1  現実こそが最先端で学問は後追いでしかない──ヘーゲルの気づきと嘆き
1-2  適切な会話ほど面白みのないものはない──グライスの「含み」
1-3  会話とは裏のメッセージの飛ばし合い──言葉の推論とコミュニケーション
1-4  人を支配する一番の方法は「言葉」を支配すること──オーウェルの問題意識
1-5  恣意的に意味付けた言葉を、受け手は恣意的に解釈する──コノテーションが動かす世界
コラム 「〇〇してやる」という彼について
1-6  私たちは分かり合うことができるのか?──ハンプティ・ダンプティの皮肉
2 「正しい言語」が「よい生活」?──社会言語学の視点
2-1  「マイフェアレディ」の皮肉──言語の階段という虚構
2-2  言語はどれも美しく、正しく、複雑である──「言葉が乱れる」は大間違い
2-3  それでも言語に憧れや蔑みが出るのはなぜか?──ランゲージ・アティテュード
2-4  生き物としての言語、だからこそのダイナミズム──言葉は変わるし、変わってよい
2-5  バベルの塔とピジン言語──人は言語をでっちあげてまでもコミュニケーションを取ろうとする生き物
2-6  シングリッシュが象徴するグローバル世界における言語──“Sorry for my poor English”は世界の非常識
3 言語が常にコミュニケーションの第一線に立ち続けた方がよいのか?──メタ・メディアとしての言語の立ち位置の追求
3-1  時に言語は「邪魔」となる──写真と言語
3-2  書き言葉に対する不当な特権性──書き言葉>話し言葉>それ以外の伝達手段
3-3  視覚優位な社会──書き言葉への異様な執着
3-4  言語を介さない表現法へ──無意識的な言語に対する過度の信頼
3-5  直接メディアで自由に表現した方がよい──21世紀的なメディアのあり方と言語の相対的立ち位置について
3-6  記憶と空──たまには言語のよい点も議論しましょう
4 新「言語のトリセツ」──これからの私たちは言語をどう捉えていけばよいのか?
4-1  国語の読解について──「読解問題」の問題
4-2  英語教育の考え方-1──なぜ日本人はこれほど英語ができないのか?
4-3  英語教育の考え方-2──完璧主義とペラペラ信仰の弊害
4-4  ソシュールの言語論──言語の恣意性と現代思想における意義
4-5  「声の文化」の復活──書き言葉の後景化と話し言葉の前景化
4-6  プラグマティックな言語論──世界の中心に自分を据える
おわりに

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