
「社員同士で学び合う場を作りたい」「研修だけでなく、日常的に学ぶ文化を育てたい」。そんなときに取り入れやすいのが社内読書会です。特別な設備は不要で、本と時間さえあれば、少人数からすぐに始められます。
一方で、「何回か開いたら参加者が減った」「感想を言い合うだけで終わってしまう」という声も少なくありません。この記事では、社内読書会の形式、準備から当日の進め方、課題本の選び方、長く続けるためのコツまでをまとめます。
社内読書会とは、社員が同じ本や同じテーマの本を読み、気づきや考えを共有し合う場のことです。研修のように講師から教わるのではなく、参加者同士が対話を通じて学ぶのが特徴です。
一人で読むと、読み終えた時点で満足してしまいがちです。読書会で「自分の仕事ならどう使うか」を言葉にすることで、本の内容が実務と結びつきます。
本という共通の話題があると、普段は接点のない社員同士でも話しやすくなります。若手がベテランの考えに触れたり、他部署の視点を知ったりする機会にもなります。
チームで同じ本を読むと、「あの本の〇〇の考え方で進めよう」という共通の言葉が生まれます。マネジメントや業務改善のテーマを選べば、チームの動き方そのものを揃えるきっかけにもなります。
読書会にはいくつかの形式があります。目的と参加者の負担に合わせて選びましょう。

形式 | 進め方 | 向いている目的 | 参加者の負担 |
|---|---|---|---|
課題本型 | 全員が同じ本を事前に読み、感想や学びを共有する | 共通言語づくり、チームでの実践 | 中(1冊を読み切る) |
輪読型 | 1冊を章ごとに分担し、担当者が要約して発表する | 専門書・技術書の理解 | 小〜中(担当章が中心) |
紹介型 | 各自が好きな本を選び、内容やおすすめポイントを紹介する | 交流、視野を広げる | 小(自分の本だけ) |
初めて開くなら、事前準備の少ない紹介型か、短めの本を使った課題本型から始めると定着しやすくなります。技術書のように1人で読み通すのが大変な本は、輪読型が向いています。

時間 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
0〜5分 | チェックイン | 目的と今日の範囲を確認。一言ずつ近況を話す |
5〜20分 | 印象に残ったところの共有 | 1人2〜3分で、引用とその理由を話す |
20〜45分 | テーマに沿った話し合い | 「自分たちの仕事ならどう使うか」を問いかける |
45〜55分 | 明日から試すことを決める | 1人1つ、小さな行動を宣言する |
55〜60分 | チェックアウト | 感想と次回の範囲・本を確認 |
大事なのは、感想を言い合うだけで終わらせないことです。最後に「明日から試すこと」を決め、次の回のチェックインで結果を共有すると、読書会が実践につながります。
オンラインで開く場合は、発言の順番を決めておくと会話が重なりません。共有したい箇所はチャットに貼ってもらうと、話が進めやすくなります。
BOOK TECHで取り扱う本から、読書会で使いやすい本を目的別に紹介します。
新 問いかけの作法(安斎勇樹/ディスカヴァー・トゥエンティワン) チームリーダーが「見立てる→組み立てる→投げかける」の流れで問いかけ、チームを変えるための実践テクニックを紹介する本。読書会の進行役の問いかけにもそのまま活かせます。
新 コーチングが人を活かす(鈴木義幸/ディスカヴァー・トゥエンティワン) コーチングのスキル62個を1項目約4ページで解説した本。項目が独立しているので、「毎回数項目ずつ」の輪読に向いています。管理職やリーダー層の読書会に。
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 約1.8万人のビジネスパーソンの行動をAIで分析し、成果を出す人の習慣を5つの原則にまとめた本。「自分たちのチームではできているか」を話し合う題材にぴったりです。
コンサル一年目が学ぶこと(大石哲之/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 職種や業界を問わず使える基本スキルを30個に絞った本。若手と先輩が一緒に読むと、「自分はこうやっている」という経験の共有が生まれます。
シン・ロジカルシンキング(望月安迪/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 問い→仮説→示唆→結論の「QADIサイクル」で考えを組み立てる本。内容に読み応えがあるので、章ごとに分担する輪読がおすすめです。
伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング(三宅香帆/ディスカヴァー・トゥエンティワン) プレゼンや自己紹介などで使える言語化の力を、7つのワークで鍛える本。読書会の場でワークを一緒にやってみると、楽しみながら実践できます。
AIを部下にする技術 90%の作業を任せて10倍の成果を上げる(西本匠/インプレス) コンサル流の仕事術をもとに、AIに仕事を任せる7つの技術を解説する本。各自が試した使い方を持ち寄る形にすると、チームのAI活用のノウハウがたまっていきます。
忙しくて読み切れなかった人が来なくなるのが、参加者が減るいちばんの理由です。「経験や意見を話すだけでも歓迎」と伝えておくと、参加のハードルが下がります。
1回で1冊を読み切るのは負担が大きくなりがちです。「毎回1〜2章」のように範囲を区切ると、忙しい時期でも続けやすくなります。
主催者がすべてを担うと、その人が忙しくなった時点で止まってしまいます。進行役や次回の本を参加者の持ち回りにすると、読書会が「自分たちの場」になります。
各回の要点や「試すこと」を短く記録しておくと、欠席した人も追いつけます。積み重なった記録は、そのまま社内のナレッジにもなります。
業務時間内の開催を認める、本代を会社が負担する、上司も参加するといった後押しがあると、「業務の一部としての学び」として定着しやすくなります。
課題本型の読書会では、参加者全員が同じ本を同じ時期に読む必要があります。本の用意の仕方は、主に次の3つです。
方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
各自が自費で購入 | 会社の手続きが不要 | 参加のハードルが上がる |
会社が人数分を購入して配布 | 参加者の負担がない | 読書会のたびに「人数 × 書籍代」がかかる。終わった本は個人の手元に散らばる |
法人向け電子図書館で用意 | 参加人数分のライセンスを用意でき、読書会後は社内図書として他の社員も読める | サービスの取扱ラインナップから選ぶ必要がある |
読書会を継続的に開くなら、使った本が社内に残る形にしておくと、次の読書会や新しく入った社員にも本を活かせます。たとえば、参加者が6人なら6ライセンスを用意し、読書会が終わったらそのまま社内図書として公開する、といった運用です。
2〜3人からでも始められます。少人数の方が一人ひとりが話す時間を取りやすく、初回はむしろ満足度が高くなりやすいです。
会社の方針しだいです。業務に関わるテーマの読書会を業務時間内に開く企業もあれば、昼休みや終業後に任意参加で開く企業もあります。業務時間外に開く場合は、参加が任意であることを明確にしておきましょう。
「この章で、自分のチームに当てはまるところは?」のように、具体的な問いを用意しておくと話が広がります。最初に全員が一言ずつ話す時間を作るのも効果的です。
書き込みながら読みたいなら紙、拠点が分かれている・オンラインで開く場合は電子が便利です。電子書籍なら、共有したい箇所を検索してすぐに開けます。
BOOK TECHの法人向け電子図書館「BOOK TECH biz」では、課題本を参加人数分のライセンスで用意でき、読書会の後はそのまま社内図書として活用できます。紹介した本を含むIT・ビジネス書を3,000冊以上取り扱っています。
最大2ヶ月の無料トライアルで、最初の読書会から試してみてください。トライアル後に自動で有料プランへ移行することはありません。