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社内読書会のやり方|進め方・形式・本の選び方と続けるコツ

「社員同士で学び合う場を作りたい」「研修だけでなく、日常的に学ぶ文化を育てたい」。そんなときに取り入れやすいのが社内読書会です。特別な設備は不要で、本と時間さえあれば、少人数からすぐに始められます。

一方で、「何回か開いたら参加者が減った」「感想を言い合うだけで終わってしまう」という声も少なくありません。この記事では、社内読書会の形式、準備から当日の進め方、課題本の選び方、長く続けるためのコツまでをまとめます。

社内読書会とは?期待できる3つの効果

社内読書会とは、社員が同じ本や同じテーマの本を読み、気づきや考えを共有し合う場のことです。研修のように講師から教わるのではなく、参加者同士が対話を通じて学ぶのが特徴です。

1. 読んだ内容が「使える知識」になる

一人で読むと、読み終えた時点で満足してしまいがちです。読書会で「自分の仕事ならどう使うか」を言葉にすることで、本の内容が実務と結びつきます。

2. 部署や年次を越えた対話が生まれる

本という共通の話題があると、普段は接点のない社員同士でも話しやすくなります。若手がベテランの考えに触れたり、他部署の視点を知ったりする機会にもなります。

3. 組織に共通言語ができる

チームで同じ本を読むと、「あの本の〇〇の考え方で進めよう」という共通の言葉が生まれます。マネジメントや業務改善のテーマを選べば、チームの動き方そのものを揃えるきっかけにもなります。

社内読書会の主な3つの形式

読書会にはいくつかの形式があります。目的と参加者の負担に合わせて選びましょう。

形式

進め方

向いている目的

参加者の負担

課題本型

全員が同じ本を事前に読み、感想や学びを共有する

共通言語づくり、チームでの実践

中(1冊を読み切る)

輪読型

1冊を章ごとに分担し、担当者が要約して発表する

専門書・技術書の理解

小〜中(担当章が中心)

紹介型

各自が好きな本を選び、内容やおすすめポイントを紹介する

交流、視野を広げる

小(自分の本だけ)

初めて開くなら、事前準備の少ない紹介型か、短めの本を使った課題本型から始めると定着しやすくなります。技術書のように1人で読み通すのが大変な本は、輪読型が向いています。

社内読書会の進め方

開催前に決めておくこと

  1. 目的を決める 「マネジメントの共通言語を作る」「新しい技術をチームで学ぶ」など、何のために開くのかを一文で決めます。形式も本も、ここから逆算して選びます。
  2. 参加者と人数を決める 話し合いをするなら4〜6人が目安です。人数が多い場合は、当日に小グループに分けます。
  3. 開催の間隔と時間を決める 月に1回、1回60分程度から始めると負担が少なくて済みます。業務時間内に開くかどうかも、事前に決めておきましょう。
  4. 本を決めて用意する 課題本型なら、参加者が読む時間を考えて、2〜3週間前には本を渡せるようにします。
  5. 進行役を決める 話し合いを回す進行役(ファシリテーター)を決めておきます。毎回交代にすると、特定の人に負担が偏りません。

当日の流れ(60分の例)

時間

内容

ポイント

0〜5分

チェックイン

目的と今日の範囲を確認。一言ずつ近況を話す

5〜20分

印象に残ったところの共有

1人2〜3分で、引用とその理由を話す

20〜45分

テーマに沿った話し合い

「自分たちの仕事ならどう使うか」を問いかける

45〜55分

明日から試すことを決める

1人1つ、小さな行動を宣言する

55〜60分

チェックアウト

感想と次回の範囲・本を確認

大事なのは、感想を言い合うだけで終わらせないことです。最後に「明日から試すこと」を決め、次の回のチェックインで結果を共有すると、読書会が実践につながります。

オンラインで開く場合は、発言の順番を決めておくと会話が重なりません。共有したい箇所はチャットに貼ってもらうと、話が進めやすくなります。

課題本の選び方とおすすめの本

読書会に向いている本の条件

  • 項目ごとに区切られている:「スキル30個」のように章や項目が独立している本は、範囲を区切って読みやすく、輪読にも向いています
  • 議論の余地がある:答えが1つに決まる本より、「自分たちの場合はどうか」を話せる本の方が盛り上がります
  • 実践できるワークや手法がある:読書会の後に「試すこと」を決めやすくなります
  • 参加者が読み切れる分量:初回は特に、分厚すぎない本を選びましょう

社内読書会におすすめの本

BOOK TECHで取り扱う本から、読書会で使いやすい本を目的別に紹介します。

チームづくり・マネジメントを学ぶ

新 問いかけの作法(安斎勇樹/ディスカヴァー・トゥエンティワン) チームリーダーが「見立てる→組み立てる→投げかける」の流れで問いかけ、チームを変えるための実践テクニックを紹介する本。読書会の進行役の問いかけにもそのまま活かせます。

新 コーチングが人を活かす(鈴木義幸/ディスカヴァー・トゥエンティワン) コーチングのスキル62個を1項目約4ページで解説した本。項目が独立しているので、「毎回数項目ずつ」の輪読に向いています。管理職やリーダー層の読書会に。

働き方・仕事の進め方を見直す

AI分析でわかった トップ5%社員の習慣(越川慎司/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 約1.8万人のビジネスパーソンの行動をAIで分析し、成果を出す人の習慣を5つの原則にまとめた本。「自分たちのチームではできているか」を話し合う題材にぴったりです。

コンサル一年目が学ぶこと(大石哲之/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 職種や業界を問わず使える基本スキルを30個に絞った本。若手と先輩が一緒に読むと、「自分はこうやっている」という経験の共有が生まれます。

考える力・伝える力を磨く

シン・ロジカルシンキング(望月安迪/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 問い→仮説→示唆→結論の「QADIサイクル」で考えを組み立てる本。内容に読み応えがあるので、章ごとに分担する輪読がおすすめです。

伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング(三宅香帆/ディスカヴァー・トゥエンティワン) プレゼンや自己紹介などで使える言語化の力を、7つのワークで鍛える本。読書会の場でワークを一緒にやってみると、楽しみながら実践できます。

AI時代の仕事術を学ぶ

AIを部下にする技術 90%の作業を任せて10倍の成果を上げる(西本匠/インプレス) コンサル流の仕事術をもとに、AIに仕事を任せる7つの技術を解説する本。各自が試した使い方を持ち寄る形にすると、チームのAI活用のノウハウがたまっていきます。

社内読書会を続ける5つのコツ

1. 「読んでいなくても参加OK」にする

忙しくて読み切れなかった人が来なくなるのが、参加者が減るいちばんの理由です。「経験や意見を話すだけでも歓迎」と伝えておくと、参加のハードルが下がります。

2. 1回の範囲を小さくする

1回で1冊を読み切るのは負担が大きくなりがちです。「毎回1〜2章」のように範囲を区切ると、忙しい時期でも続けやすくなります。

3. 進行役と本選びを持ち回りにする

主催者がすべてを担うと、その人が忙しくなった時点で止まってしまいます。進行役や次回の本を参加者の持ち回りにすると、読書会が「自分たちの場」になります。

4. 学びを記録して残す

各回の要点や「試すこと」を短く記録しておくと、欠席した人も追いつけます。積み重なった記録は、そのまま社内のナレッジにもなります。

5. 上司や会社が後押しする

業務時間内の開催を認める、本代を会社が負担する、上司も参加するといった後押しがあると、「業務の一部としての学び」として定着しやすくなります。

参加者分の本をどう用意するか

課題本型の読書会では、参加者全員が同じ本を同じ時期に読む必要があります。本の用意の仕方は、主に次の3つです。

方法

メリット

注意点

各自が自費で購入

会社の手続きが不要

参加のハードルが上がる

会社が人数分を購入して配布

参加者の負担がない

読書会のたびに「人数 × 書籍代」がかかる。終わった本は個人の手元に散らばる

法人向け電子図書館で用意

参加人数分のライセンスを用意でき、読書会後は社内図書として他の社員も読める

サービスの取扱ラインナップから選ぶ必要がある

読書会を継続的に開くなら、使った本が社内に残る形にしておくと、次の読書会や新しく入った社員にも本を活かせます。たとえば、参加者が6人なら6ライセンスを用意し、読書会が終わったらそのまま社内図書として公開する、といった運用です。

よくある質問

Q. 何人から始められますか?

2〜3人からでも始められます。少人数の方が一人ひとりが話す時間を取りやすく、初回はむしろ満足度が高くなりやすいです。

Q. 業務時間内に開いてもよいですか?

会社の方針しだいです。業務に関わるテーマの読書会を業務時間内に開く企業もあれば、昼休みや終業後に任意参加で開く企業もあります。業務時間外に開く場合は、参加が任意であることを明確にしておきましょう。

Q. 話し合いが盛り上がらないときは?

「この章で、自分のチームに当てはまるところは?」のように、具体的な問いを用意しておくと話が広がります。最初に全員が一言ずつ話す時間を作るのも効果的です。

Q. 紙の本と電子書籍、どちらがよいですか?

書き込みながら読みたいなら紙、拠点が分かれている・オンラインで開く場合は電子が便利です。電子書籍なら、共有したい箇所を検索してすぐに開けます。

まとめ:小さく始めて、「試すこと」で終わる

  • 社内読書会には課題本型・輪読型・紹介型があり、初回は紹介型か短めの課題本型が始めやすい
  • 当日は感想の共有だけで終わらせず、「明日から試すこと」を決める
  • 「読んでいなくても参加OK」「範囲は小さく」「役割は持ち回り」で、無理なく続ける

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