
昇格したばかりの管理職やリーダーは、「これまでと同じように動いていてもうまくいかない」という壁にぶつかりがちです。そこで多くの企業が取り入れているのが、新任管理職研修の課題図書です。
ただ、マネジメントやリーダーシップの本は数が多く、「どれを選べばよいか分からない」という声もよく聞かれます。この記事では、新任管理職がつまずきやすいポイントから課題図書の選び方を整理し、研修テーマ別のおすすめ本と、読んで終わりにしない使い方を紹介します。
新任管理職がつまずく原因の多くは、能力不足ではなく、「自分で成果を出す人(プレイヤー)」から「チームで成果を出す人(マネージャー)」への役割の切り替えにあります。

プレイヤー時代 | マネージャーになってから | |
|---|---|---|
成果の出し方 | 自分が動いて成果を出す | メンバーを通じて成果を出す |
評価されるもの | 自分の業績 | チームの業績とメンバーの成長 |
大事なスキル | 専門性・実務力 | 目標設定、対話、任せる力、チームづくり |
よくある失敗 | — | 自分でやった方が早いと仕事を抱え込む、すぐ答えを教えてしまう |
課題図書は、この「役割の変化」を理解し、新しい役割に必要なスキルを身につけるための教材として選ぶと、研修の軸がぶれません。
「評判のいいマネジメント本」を並べるのではなく、研修で身につけてほしいテーマごとに1冊を対応させると、研修全体の設計と課題図書が一致します。
BOOK TECHで取り扱う本から、新任管理職研修で使いやすい本を、研修でよく扱われる3つのテーマに分けて紹介します。

研修の最初に「管理職とは何をする人か」の全体像をつかむための本です。入門書として手元に置き、迷ったときに読み返せる本を選びます。
はじめての課長の教科書 第3版(酒井穣/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 中間管理職のスキル・心構え・戦略をまとめたロングセラーの第3版。日本の組織で課長になる人が、最初に読む入門書として定番です。
マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識(ローレン・B・ベルカほか、佐々木寛子 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 米国で長く読まれている「新任マネジャーの教科書」の邦訳。世代間ギャップやリモートワークにも対応し、マネジャーに必要なスキルと心構えを幅広く扱います。
Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項(中谷公三・諸橋峰雄・水野ジュンイチロ/ディスカヴァー・トゥエンティワン) Google日本法人でマネジャーを務めた著者らが、メンバーを支援し成長を促すマネジメントを体系化した本。各章の冒頭にマンガがあり、目標設定や意思決定などを読みやすく解説しています。
新任管理職が最初に悩むのが、メンバーとの対話です。「つい答えを教えてしまう」「1on1で何を話せばいいか分からない」という悩みに応える本を選びます。
世界標準の1on1 科学的に正しい「対話の技術」のすべて(スティーヴン・G・ロゲルバーグ、本多明生 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 会議研究の第一人者が、研究をもとに1on1の頻度、質問、アジェンダなどを解説した本。チェックリストも付いており、研修後にそのまま1on1を始められます。
3分間コーチ(伊藤守/ディスカヴァー・トゥエンティワン) まず部下のために3分の時間をとることを基本とする人材マネジメント法。長い面談の時間が取りにくい忙しい現場でも、すぐに取り入れられます。
アドバイスしてはいけない 部下も組織も劇的にうまくいくコーチングの技術(マイケル・バンゲイ・スタニエ、深町あおい 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン) すぐに助言したくなる気持ちを抑え、問いかけに切り替えることを勧める本。プレイヤーとして優秀だった人ほど陥りやすい「教えすぎ」に気づかせてくれます。
最高のコーチは、教えない。(吉井理人/ディスカヴァー・トゥエンティワン) プロ野球のコーチとして多くの選手を育てた著者が、質問で自分の頭で考えさせるコーチングを紹介する本。プロ野球の指導の現場から生まれた考え方を、部下育成に置き換えて読めます。
「承認 (アクノレッジ) 」が人を動かす(鈴木義幸/ディスカヴァー・トゥエンティワン) ほめる・任せる・叱る・声をかけるなど、相手を認める言動を事例とともに解説する本。日々の声かけから変えられるようになります。
個々のメンバーとの対話に慣れたら、次はチーム全体をどう動かすかです。心理的安全性やメンバーの強みの活かし方を扱う本を選びます。
「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ(伊藤羊一/ディスカヴァー・トゥエンティワン) メンバー一人ひとりの強みを活かして共通の目標を目指す、フラットなチームのつくり方を解説する本。1on1、会議、目標設定など、日々のチーム運営にそのまま使えます。
機嫌のいいチームをつくる(吉井理人/ディスカヴァー・トゥエンティワン) プロ野球の監督としての経験をもとに、心理的安全性の高い「機嫌のいいチーム」をつくる大切さを説く本。ビジネスリーダーに向けた内容も含まれています。
チームは未来志向の対話でうまくいく(ジャッキー・スタブロス、シェリ・トレス、佐々木寛子 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 「アプリシエイティブ・インクワイアリー」の原則にもとづく対話の技術書。問いかけで強みを引き出す方法を、1on1からチームの会議まで扱っています。
新 問いかけの作法(安斎勇樹/ディスカヴァー・トゥエンティワン) チームリーダーが「見立てる→組み立てる→投げかける」の流れで問いかけ、チームを変えるための実践テクニックを紹介する本。会議で発言が出ないといった悩みに役立ちます。
図解 99% の人がしていないたった 1% のリーダーのコツ(河野英太郎/ディスカヴァー・トゥエンティワン) 部下から信頼され、チームをつくるための46のコツを図解で紹介する本。リーダーに必要なのは特別な能力ではなく「型」だという考え方で、管理職になる前のリーダー層にも向いています。
このほかの本は、特集「はじめてリーダーになった日から使える本」でまとめて紹介しています。
管理職研修の課題図書は、「読む → 話す → 試す → 振り返る」の流れで使うと、現場の行動につながりやすくなります。
また、新任管理職の上司にも同じ本を読んでもらうと、日常の相談で本の内容を話題にでき、研修と現場がつながります。
管理職研修は、昇格のタイミングに合わせて年に何度か実施する企業も多くあります。そのたびに人数分の本を購入して配ると、費用がかさむうえ、本が個人の手元に散らばります。
法人向けの電子図書館を使えば、受講人数分のライセンスを用意し、研修が終わったら次の期の受講者が同じ本を使えます。研修後は管理職全員が読める「管理職向けの本棚」として残せるのも利点です。研修で使う自社の資料(評価制度の説明や労務管理のルールなど)も、同じ場所で共有できると、新任管理職が迷ったときにすぐに参照できます。
研修テーマ1つにつき1冊が目安です。忙しい新任管理職に一度に何冊も渡すより、「まず役割を理解する1冊」「次に1on1の1冊」のように段階的に渡す方が読まれます。
チームリーダーや主任クラスには、部下との対話やチームづくりの本から渡すのがおすすめです。評価や予算など管理職特有のテーマは、昇格のタイミングで扱うとよいでしょう。
研修での発表や事前課題で確認するのが一般的です。法人向け電子図書館の中には、閲覧時間や読書の進み具合を管理画面で確認できるものもあります。
BOOK TECHの法人向け電子図書館「BOOK TECH biz」では、紹介した本を含むIT・ビジネス書を3,000冊以上取り扱っています。受講人数分のライセンスを用意し、研修後は管理職向けの本棚として継続して活用できます。研修資料のPDFも「グループ資料室」で同じ画面から共有できます。
最大2ヶ月の無料トライアルで、次の管理職研修の準備とあわせてお試しください。トライアル後に自動で有料プランへ移行することはありません。